あなたの現場を「アジャイル」に変えたいとき、たどる道筋は2つある
国内でのアジャイル開発の普及と共に、アジャイルという言葉が指す内容にも広がりがでてきました。同じ「アジャイル」という言葉を用いたとしても、それが何を指すのかを注意深く理解する必要が出てきたといってもいいでしょう。
そんな現状を、アジャイル開発の第一人者である平鍋健児氏がブログ「An Agile Way」にポストしたエントリ「アジャイルの「ライトウィング」と「レフトウィング」」で、非常に分かりやすい図と共に整理しています。以下に許可を得てその主な部分を転載します。
アジャイルの「ライトウィング」と「レフトウィング」
アジャイルの認知が進むにつれて、アジャイルという言葉がどんどん広がっている。アジャイル、という言葉の中にはいろんな要素が入っていることが分かる。もっと大きなものは、CI(継続的インテグレーション)を中核とする技術的なプラクティス群と、スクラムプロセスフレームワークのような、人と人との会話のプロトコルと協働関係を作るしかけだろう。自分の現状を、アジャイルに変えるためには、どうしたらよいだろう?
“最近、「アジャイル」といっても中にいろんな要素があるために、「あなたのアジャイルは何のことを言っていますか?」と聞くことからはじめないと、話がかみ合わない”、と、Agile2012帰りのかわぐちさんと話していて、そのときに、かわぐちさんが描いた絵(たぶんどこかにある4象限の図)がいまひとつ自分にしっくりこなくて、私が描いてみた絵がこの絵だ。
あなたが、現状の開発現場を「アジャイル」に変えたい、と考えた場合、たどる道筋は2方向ある。また、2つが満たされないとうまくいかない。その2つをアジャイルの「ライトウィング」と「レフトウィング」と称してみた。(※ ゴールに向かう、右サイドと左サイド、をイメージしていて、政治的な右翼・左翼とは無関係です。)
「ライトウイング」は、CIを中心とする技術的なプラクティスだ。「高速に石橋を叩いて渡る」というのは最近あまのりょーさんに聴いた表現なのだが、あまりにぴったりなのでここに書いてみた。つまり、「動いているシステムを壊さずに、高速に、着実に、製品をインクリメントしていく」技術だ。アジャイルにはこれらの技術が必要だ。これを「開発環境」の整備とした。
これに対して、「レフトウィング」は、プロセス的なプラクティス、および、コミュニケーションやモチベーションに属する人間系のチェンジだ。アジャイルには、これらのマインドチェンジが必要だ。これを「チーム環境」の整備と呼びたい。
さて、あなたのアジャイルはどこにあるだろう?