さくらのクラウド、ストレージ障害を乗り越え10月1日より課金再開。新規募集も年内再開で完全復活へ
相次ぐストレージの障害により新規ユーザー募集と課金を停止していた、さくらインターネットの「さくらのクラウド」が、試験運用を続けていた新ストレージの運用に問題がないことを確認できたとして、10月1日より課金を再開することが明らかになりました。
また、これまで20GBしか選択できなかった試験運用中の新ストレージは、8月31日から40GB、60GB、80GB、100GB、250GB、500GB、750GB、1TBを選択できるようになっています。
InfiniBandから10GbEへ接続形態を変更
当初採用していたストレージの障害に対する解決策として6月に新ストレージが発表された時点では、新ストレージはさくらインターネットの自社開発によるものとされていました。
しかしPublickeyの取材によると、現時点での新ストレージには自社開発とあわせてメーカー製の製品(旧ストレージとはメーカーも製品も異なる)も採用されており、両方が実運用に投入されているとのこと。またサーバとストレージ間の接続も当初予定のInfiniBandから10GbEとなり、InfiniBandにこだわらずよいものを採用していくという方針に変更されたとのことです。サーバとストレージ間のプロトコルは当初の予定通りiSCSI。
さくらインターネットは10月の課金再開後、ユーザーの反応を確かめたうえで、年内には新規利用者の募集も再開したいとの意向も明らかにしました。
ようやくクラウド再参入へ
新規利用者の募集再開にたどり着いた時点で、さくらのクラウドはストレージ障害を乗り越えて完全復活を実現したといえるでしょう。
日本の代表的なデータセンター事業社の1つである同社が、石狩データセンターの建設という大きな投資を伴って昨年11月に参入したクラウド事業ですが、その翌月にはストレージ障害に見舞われ、以来ずっと障害対応の状態が続いてきました。そこから1年近くを経て、クラウドへ再参入する日がようやく近づいてきました。
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