RightScaleが、国内クラウドベンダのIDCフロンティアと提携を発表
クラウドの管理や運用のためのサービスを提供しているRightScaleは、ヤフー傘下のIDCフロンティアと提携、同社のIaaS型クラウド「NOAHセルフタイプ」に対応することを発表しました。
RightScaleが日本国内のクラウドベンダに対応するのは初めて。実際のサービスは来年提供開始予定です。
RightScaleのサービスを用いると、Amazon Web ServicesやRackspace、プライベートクラウドなどの複数のクラウドをRightScaleが提供するダッシュボードで一元的に管理できるようになるほか、サーバテンプレートと呼ばれる技術でクラウドへのツールやアプリケーションのインストール、設定、運用を自動化することなどが可能です。
IDCフロンティアが発表したプレスリリースによると、国内向けのソーシャルゲームやエンタープライズ向けのテンプレート開発に取り組むとのこと。
特に国内市場でニーズが高まっている、仮想マシンのテンプレート開発を順次行い、日本のゲームやソーシャルビジネス、動画や電子書籍などのリッチコンテンツ配信に最適化されたテンプレートの提供と、年々クラウドサービスの利用比率が高まるエンタープライズ用途においても、ディザスタリカバリ、HA構成、データバックアップなどのサービスを自動化するテンプレートの開発を合わせて行う予定です。
来年はIaaSの上のエコシステムが重要になる
IDCフロンティアの「NOAHセルフタイプ」は、今年の9月に立ち上がったばかりのIaaS型クラウドで、クラウド基盤にオープンソースの「CloudStack」を採用しているのが特徴。
CloudStackはすでに海外ではいくつかのクラウド事業者に採用されており、同社はオープンなCloudStackを採用することで他社との連係を重視する戦略をとっていました。今回のRightScaleとの提携は、そうした戦略に基づくものの1つだといえるでしょう。
日本国内では今年3月にAmazonクラウドの国内データセンターがサービスを開始し、IDCフロンティアもクラウドサービスを開始、さくらインターネットも来週正式にクラウドサービスを開始するなど、IaaS型クラウドへの参入が相次ぐ年になりました。
来年にはIaaS型クラウドの上でいかにソフトウェアのエコシステムを構築するかがクラウドベンダーにとっての差別化要因になってくると予想されます。RightScaleのようなIaaSを迅速に運用や展開するためのサービスとの連係は、競争が激しくなるIaaS型クラウドベンダにとって重要な要素の1つとなるはずです。