タブレット、モバイル中心アプリ、ソーシャル体験、インメモリなど、ガートナーが早くも来年重要となる戦略的技術をリストアップ
米調査会社のガートナーは、2012年に重要となる10の戦略的技術のリスト「Gartner Identifies the Top 10 Strategic Technologies for 2012」を公開しました。
リストを眺めていると目新しいものはありませんが、IT業界の大きなトレンドを把握するのに参考になる項目が並んでいます。
特に、企業内にタブレットデバイスとアプリストアが進出することで、企業内コンピューティングは大きく変わりそうですし、アプリケーションのユーザーインターフェイスが、現在のウィンドウとマウスポインタからタッチインターフェイスへと移行し、次世代アナリティクスは分析だけでなく予測も含むようになれば、アプリケーション体験も今とは違ったものになりそうです。
そしてその基盤としてのデータウェアハウスは論理的に構築されるものとなり、インメモリコンピューティングが当たり前となる。データソースはデバイスのセンサーなどから大量に送られるようになってくる。ガートナーが並べた要素をつなげていくと、こんな将来像が描けそうです。
ガートナーのリポートでは詳しく説明されている各項目の内容を、ざっくりとまとめてみました。
ガートナーが選ぶ、2012年に向けた10の戦略的テクノロジー
Media Tablets and Beyond.(メディアタブレットとその先)
特定のプラットフォームが独占的な存在になることはなく、企業は2種類から4種類程度のタブレットを2015年までに管理するようになるだろう。
Mobile-Centric Applications and Interfaces.(モバイルセントリックアプリケーションとインターフェイス)
ウィンドウ、アイコン、メニュー、ポインタといったユーザーインターフェイスは、タッチ、ジェスチャー、サーチ、ボイス、ビデオといったモバイルセントリックなインターフェイスに置き換えられていくだろう。
Contextual and Social User Experience.(文脈的、ソーシャル的ユーザー体験)
モバイルやソーシャル、位置、コマースなどに基づいた文脈的なコンピューティングでは、ユーザーのニーズや行動を予期したサービスを提供できるだろう。
Internet of Things.(モノのインターネット)
インターネットにつながれたモノには、センサーやインテリジェンスが追加され、この数年でティッピングポイントを越えて重要性が高まるだろう。
App Stores and Marketplaces.(アプリストアとアプリマーケット)
エンタープライズ市場にもアプリマーケットは進出してくる。ITの役割は中央での集中的な管理から、マーケットの管理を通じてユーザーとサービスのエコシステムを作ることになる。
Next-Generation Analytics.(次世代アナリティクス)
分析は意志決定から、さらにシミュレーション、予測、最適化などへと進んでいくだろう。
Big Data.(ビッグデータ)
複数のデータソースから構成される論理的なデータウェアハウスが、シングルデータウェアハウスを置き換えていくだろう。
In-Memory Computing.(インメモリコンピューティング)
サーバの中でメモリレイヤが作られることで、容積、性能、熱排出などの要素において利点を得ることができるようになる。
Extreme Low-Energy Servers.(超低消費電力サーバ)
現在のシステムの30倍以上の電力効率を持つサーバシステムが登場し、MapReducや静的Webページの表示など、プロセッサ性能がそれほど求められない処理に使われていく。
Cloud Computing.(クラウドコンピューティング)
長期的な視点では、クラウドはあらゆる産業において破壊的な要素を持つ。