「イーサネットはどこまで速くなるの?」 詳しい人に聞いてみた
僕の古巣「@IT」(アットマーク・アイティ)で「@IT Technology Keypoint」というUstreamの番組をときどきやらせてもらっています。テーマと、呼ぶ人を編集部と相談して決めて、カメラの前でしゃべる、という気軽な感じの番組です。
先日「いま、ネットワークに何が起きているのか」をテーマに、ブロケード・コミュニケーションズ・システムズの小宮崇博氏を迎えて、特にイーサネットの進化について聞いてみました。アーカイブになっていて誰でも見ることができます。
どんな内容なのか、紹介ページから少し転載します(勝手に転載してすいません>編集部)。
イーサネットはどこまで速くなるの?
新野 いまサーバを買うと、たいてい1Gbpsのポートが付いてきますし、10Gbps対応のアダプタも出てきています。この先は100Gbpsになるのでしょうか? イーサネットはどう進化するのでしょう?
小宮 データセンターやISPを中心に、ようやく10Gbpsに対するニーズが生まれてきましたが、現時点では10Gbpsという技術を使っているのは一部のユーザーですね。ただ10Gbpsについては標準化が済んでいて、各社が対応した製品を出荷しています。
新野 つまり、「ほしい人はお金を出せば買える状態」ですね。その先はどうでしょう?
小宮 2つあります。1つは100Gbpsイーサネットです。サービスプロバイダーや電話会社、インターネットエクスチェンジなど、広帯域を要求するところに適用する形で、いま、ブロケードでも検証をしています。
もう1つは40Gbpsという技術です。これもいくつかのスイッチメーカーが製品をアナウンスしており、これから出てくる状態です。40Gbpsはどこで使うかというと、今日の時点では「アグリゲーション」になります。
……と、こんな会話からはじまって、どこまでイーサネットは速くなりそうなのか、といった話題へ進んでいきます。
ネットワークの将来像、「ファブリック」とは何か
新野 ネットワークの将来像としてよく「ファブリック」という言葉を聞くんですね。また、最近、僕のブログで「僕が20年前に倣ったイーサネットの基礎がずいぶん変わってますね」という趣旨の記事を書いたところ意外と人気があり、みんなイーサネットの新しい構造に興味があるんだなということに気付きました。ブロケードもビジョンの中に「ファブリック」というキーワードを使っていますね。まず、トポロジの進化といった観点から教えてもらえませんか。
小宮 ファイバチャネルやInfinibandで構成するHPCの場合、たくさんのノードがつながります。もしここで、イーサネットでツリー構造を作ると、いままでですとスパニングツリープロトコル(STP)を使うため、ブロックポートが生じます。これはHPCでは最悪なので、 Infinibandを使ってファットツリーを構成する、そういう発想が出てきました。
新野 Infinibandはサーバとサーバを高速につなぐために使われますね。そして、できれば本当に網の目のようにして、どこからどこに対しても高速に通信できるようにしたい、と。そういうときに、ツリートポロジしかできない、いまのイーサネットだとつらいというわけですね。
小宮 高スループット化したいというニーズをイーサネットでどう実現するか。そこで、IETFで議論していた TRILL(TRansparent Interconnection of Lots of Links)という技術を使い、イーサネットで、メッシュでもリングでもファットツリーでも、どんなトポロジでも、結んだらちゃんとループを許容するネットワークになりますよ、としているわけです。
……イーサネットはなぜ変わろうとしているのか、どう変わろうとしているのか、という議論に進んでいきます。
というわけで、興味がある方はぜひ以下の動画でご覧ください。30分くらいです。この番組、今後も機会をみて紹介していきたいと思っています。
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