デルがパブリッククラウド参入を発表。アジア太平洋/日本地域は来年に
米デルは、パブリッククラウドとしてIaaSを提供する「Dell Cloud with VMware vCloud Datacenter Service」を、VMwareのイベントVMworld 2011に合わせて発表しました。
現在ベータ版として特定の顧客に提供されており、米国では今年の第4四半期に正式サービスイン。アジア太平洋/日本地域には来年2012年に提供を計画しています。
デルは、ハードウェアベンダから総合的なITサービスを提供する企業へと脱皮するため、これまでに情報処理サービス会社のペロー・システムズを買収し、ストレージベンダのイコールロジックを買収し、SaaS企業のBoomiを買収し、昨年にはデータセンター用の土地をワシントン州で確保するなどしてきました。
クラウドへの参入もこれまでの延長線上にあるといえるでしょう。
VMwareに続き、Windows Azure、OpenStack対応のクラウドも?
Dell Cloud with VMware vCloud Datacenter Serviceは文字通りVMwareのソフトウェアによって構築されるクラウドで、以下のサービスを含んでいると説明されています。
- パブリッククラウド
セキュアなIaaSとして、仮想プロセッサ、メモリ、ストレージ、IPアドレス、ファイアウォールなどのサーバリソースを提供 - プライベートクラウド
顧客のプライベートクラウドとなるデータセンター構築を請け負う - ハイブリッドクラウド
VMware vCloud Connctorを用いて、オンプレミス、オフプレミスなプライベートクラウドとデルのパブリッククラウドの組み合わせを提供
プレスリリースではクラウドの利用価格などは明らかにされていませんが、GigaOmの記事「Dell launches a VMware-based cloud; Azure next」によると、使った分だけ支払うPay-as-you-goのほかに、年間契約を前提とするReserved(予約)とDedicated(占有)プランがあるとのこと。
またデルは、今回のVMwareとの協業によるクラウド提供に続いて、マイクロソフトのWindows Azureに対応したクラウド、オープンソースのOpenStackを用いたクラウドを計画しているとも報じられています。
たしかにデルは昨年のWindows Azure Platform Applianceを発表したときのパートナーであり、また今月にはOpenStack専用のインストーラなど、クラウド構築に必要なものが一式揃ったクラウド構築のためのパッケージ「Dell OpenStack Cloud Solution」を発表するなど、クラウド構築用ソフトウェアに対して幅広い対応を示してきました。これまで築いてきたニュートラルなハードウェアベンダとしてのポジションをクラウド時代にも貫いていこうという戦略なのでしょう。
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