アプリケーション仮想化によるアプリ管理ツール、エンバカデロが準備中
エンバカデロ・テクノロジーズ(旧ボーランド)は、アプリケーション仮想化の技術を用いることで、インストール不要のアプリケーション実行形式をネット経由で配布するツール「AppWave」を近くリリースすると発表しました。アプリケーションの配布数や利用人数など、ライセンスを中央管理する機能も備えています。
エンバカデロは、AppWaveで同社の開発ツールだけでなく、マイクロソフトのOfficeやそのほか一般のソフトウェアも配布、管理することで、企業内の効率的なアプリケーション配布と管理が行えるとしています。
ダウンロード途中でもアプリケーションを起動、操作可能
AppWaveでは、専用のランチャーとなるAppWaveをローカルマシンにインストール、ここから目的のアプリケーションをクリックすることで、実行イメージがサーバから配信され、ローカルマシンでの実行が始まります。また、実行イメージはローカルマシンにキャッシュされるため、オフラインにも対応します。
AppWaveが用いているアプリケーション仮想化とは、特別にパッケージされたアプリケーションのイメージをそのままサーバからターゲットとなるマシンに配信(アプリケーションストリーミング)することで、ターゲットマシン上にアプリケーションをインストールすることなく実行する技術。
特別パッケージされたアプリケーションイメージには、実行に必要なDLLや関連ファイルなどがインストール済みイメージとしてパッケージ化されているため、ターゲットマシン上でインストールしなくともそのまま実行できます。
実行に仮想マシンは使わず、通常のアプリケーションと同様にターゲットマシンのOS上で実行されるため、ローカルマシンのファイルやプリンタといった資源に直接アクセス可能。通常のアプリケーションと同じ使い勝手となります。
また、通常は同一マシン上で共存できないようなバージョン違いのアプリケーションなども同時に実行可能です。
アプリケーション仮想化は、すでにシトリックス・システムズのXenAppや、マイクロソフトのApp-Vなどが採用しています。同社日本法人代表 藤井等氏はそれらと比べたAppWaveの特徴として、すべての実行モジュールがダウンロードされなくとも、アプリケーションが起動し操作可能になるスピードや、一般のアプリケーションを簡単にAppWaveに取り込んでストリーミング化できる導入の容易さなどを挙げました。
同社はAppWaveをまず同社開発ツールのライセンス管理の拡張製品として位置づけ、開発関連企業などを中心に採用を働きかけ、中長期的には一般の企業でのアプリケーション管理ツールとして位置づけていきたいとしています。
AppWaveの価格は未定で、リリース時期は今年夏の予定です。
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