企業向けソフトウェアは「開発→実行→運用管理」から「クラウドの利用→結果報告」へと変わっていく。米ガートナー
現在のエンタープライズソフトウェア業界は、アジリティ(迅速性)を向上するために、「開発→実行→運用管理」を提供する技術から、「クラウドの利用を確立→高い透明性で結果を報告」することにフォーカスしている。と、米ガートナーのリサーチ部門バイスプレジデントのTom Eid氏は、2月2日付けのリリース「Gartner Highlights Five Long-Term, Overarching, and Interdependent Trends Affecting the Enterprise Software Industry」で語っています。
"The focus in the enterprise software industry is on upgrading of build-run-manage technologies to improve agility, establishing cloud-computing infrastructure services and results-reporting transparency," said Tom Eid, research vice president at Gartner.
このリリースは、今後5年間のエンタープライズソフトウェア業界のトレンドを予測したもの。特にSaaSやクラウドで提供されるサービス、オープンソース、コンシューマライゼーションなどが「破壊的テクノロジー」とされ、新興国などでも大きな影響を与えるだろうとしています。
The market-disrupting influences of SaaS, cloud-based services, open-source software, consumerization and Web 2.0 technologies will expand, while developing countries, including Brazil, Russia, India and China (BRIC), will prove themselves to be pivotal innovation and growth engines.
市場の一体化、クラウドへの要求、ソーシャル化
ガートナーが今後5年の変化をドライブする、特に大きな5つの要素について取り上げた部分を要約して紹介しましょう。
Globalization
市場は一体化していき、社会はつながっていく。企業の買収や合併が起きていくだろう。数年以内にテクノロジーやベンダーの大規模なコンソリデーション(統合化)が起きるだろう。
Implementation
クラウドベースのサービスへの要求はさらに高まっていくだろう。
Modernization
企業は引き続きオープンソースの採用を進めていく。ビジネスプロセスの自動化やワークフローの接続(Streamlining Workflow)が注目されていく。企業はあらゆるソフトウェアを「開発→実行→運用管理」からユーザードリブンなアプリケーションへとアップグレードしていく。
Socialization
ソーシャルメディアの利用は引き続き大きな流れである。コミュニケーションとコラボレーションが統合されたサービスの採用が増加するだろう。
Verticalization
ホリゾンタル(業界横断的)なソフトウェアのカスタマイズは今後さらに増えてくる。いずれ、より特定の業界に特化したビジネスの仕組みを提供する機能がより提供されることになるだろう。
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