オラクルがストレージベンダのPillar Data Systemsを買収。ストレージラインナップ強化へ
米オラクルは、ストレージベンダのPillar Data Systemsを買収したと発表しました。
Pillar Data Systemsは、ファイバーチャネルで構成するSAN(Storage Area Network)と、イーサネットで構成するNAS(Network Attached Storage)を1つの筐体で実現するユニファイドストレージ機能を備えたストレージ製品「Pilla Axiom」(ピラー・アクシオン)を提供するストレージベンダ。日本では日商エレクトロニクスが取り扱っています。
オラクルは昨年サン・マイクロシステムズを買収して強力なサーバ群を手に入れていましたが、ストレージの製品ラインは強化が課題でした。Pillar Data SystemsのAxiom製品は同社のストレージラインナップの中で、SANによるブロックストレージの製品としてミッドレンジからハイエンドをカバーすることになります。
以下の図は買収に当たり発表された資料から、同社の新たなストレージ製品のラインナップです。
実はエリソン氏が主要株主
昨年、ストレージベンダの3PARの買収をめぐってヒューレット・パッカードとデルがつばぜり合いを演じたように、サーバベンダにとって高性能なストレージ製品を揃えておくことの重要性が高まっています。
その理由は、仮想化の普及によって物理サーバあたりの稼働アプリケーション数が大幅に増大した結果、扱うデータの量も増大したために高性能なストレージシステムのニーズが高まっていること、そしてVMotion(あるいはライブモーション)のような仮想化の柔軟な運用機能を活用するにも高性能なストレージが必要とされること、サーバとストレージは1つのシステムとして同一ベンダから購入する傾向が高まっていることなどがあげられます。
実はPillar Data Systemsは、オラクルのラリー・エリソン氏が株式の大半を保有する未公開企業だったため、有望なストレージベンダであったにもかかわらずオラクル以外の企業が買収するのはハードルが高いと見られていました。今回オラクルが買収したのは順当な結果だと見るべきでしょう。
同社は今日(日本時間7月1日)、新たなストレージ戦略を発表する予定です。その内容はまだ明らかになっていませんが、今回の買収によって行われるストレージラインナップの再編成が発表されることはほぼ確実でしょう。
そしてエリソン氏はさらにお金持ちになった、ということですね。