OpenFlow 1.2が登場。IPv6対応や将来のプロトコルへの柔軟性を実現
Facebookやグーグル、マイクロソフト、ドイツテレコムなど大手クラウドベンダーやテレコム企業が中心となって今年3月に発足したOpen Network Foundationは、OpenFlowの新版「OpenFlow 1.2」を同団体の理事会が承認したと発表しました。
Open Networking Foundationは、プログラミングによってネットワーク上のスイッチングやールティング、ファイアウォールやロードバランスなどを含むさまざまな経路制御や機能を実現しようという「Software-Defined Network」を推進する団体。
OpenFlowはそのSoftware-Defined Networkを実現する新しいスイッチングアーキテクチャのための標準技術で、これまではスタンフォード大学が中心になって仕様策定していましたが、3月にOpen Network Foudationに標準化作業が移管されています。今回のOpenFlow 1.2は、同団体が発表する最初のOpenFlow仕様となります。
OpenFlow 1.2ではIPv6に対応
発表によると、OpenFlow 1.2の主な新機能は以下の3つ。
- IPv6への対応。IPv6ソースアドレス、宛先アドレス、プロトコル番号、トラフィッククラス、ICMPv6タイプ、ICMPv6 コード、IPv6近隣ッダフィールド、IPv6のフローラベルなどがフローテーブルの条件として利用可能に。
- 現在および将来のプロトコルに対する柔軟性を実現するため、多くのパラメータ数に対応した拡張マッチングをサポート。
- Open Networking Foundationが設定したコードポイントと専用フィールドによって、実験用の拡張をサポート。
OpenFlow 1.1の公開が今年3月ですから、今年2度目のバージョンアップとなります。
スタンフォード大学でOpenFlowを最初に開発したNicira NetworksのCTO マーチン・カサード氏はPublickeyとの独占インタビューで、OpenFlowの仕様策定プロセスはアジャイル開発的に似ている手法で作られていると説明しています(インタビューの詳細は後日掲載予定です)。
「OpenFlowはこれまでの仕様策定とは違っていて、ソフトウェアの開発に近く、新バージョンを出して多くの実装を行うといことを早いサイクルで繰り返すことで、なんらかのミスがあったとしても早い段階でそれを学び、よりよいものにしていく」(カサード氏)
また、今回のプレスリリースでは、NTTコミュニケーションズがボードメンバーに加わったことも合わせて発表されました。
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