NoSQLの統合が始まったのか? MembaseとCouchOneが合併し、Couchbaseを発表
memcachedとプロトコル互換を保証しつつ、ディスクへの永続性、階層型データストア管理などを実現してきたMembaseと、ドキュメント管理を得意とし、JSONでデータの入出力が可能なCouchDB。それぞれの開発元であるMembaseとCouchOneが合併し、2つの製品を合わせた「Couchbase」を発表しました。
CouchOneのCEOであるDamien Katz氏とMembaseの共同創業者であるJames Phillips氏は共同で声明を発表。CouchDBとMembaseはそれぞれが異なったセグメントにフォーカスしてきており、両社を合わせることでNoSQL業界でもっとも強力な製品を展開することができると合併の意味を強調しました。
MembaseとCouchDBの利点を合わせる
この2人が今回の合併についてビデオで解説した中で、Couchbaseの特徴を端的に表しています。
「Membaseは、クラスタリング、自動シャーディング能、高速なメモリキャッシュ機能などを備え、一方でCouchDBはクエリ、インデクシング、リアルタイムMapReduceでデベロッパーフレンドリー、iPhone、Androidなどに対応しデータベースの同期機能などを備える。これらが合わさることで、NoSQLでもっとも強力なテクノロジーとなる」
「Introducing Couchbase!」のページでは、次の図で2つの組み合わせが説明されています。
データベースのフロントエンド部分にキャッシュやクラスタに優れたMembaseの技術を使い、バックエンド部分にデータストアとしてCrunchDBを使う、というアーキテクチャになるようですね。
NoSQLの生き残り戦略
NoSQLデータベースは、リレーショナルデータベースに比べてデータモデルやトランザクション、問い合わせ言語などがシンプルで実装のハードルもそれほど高くないためか、数十種類のさまざまな製品が登場しています。
しかしリレーショナルデータベース市場を見れば分かるとおり、実際に市場で主要なデータベース製品として生き残れるのは恐らく一握り。特にNoSQLの主戦場はクラウドであることを考えると、グーグル、Amazonクラウド、マイクロソフトといった主要なクラウドベンダ自身もBigTableやSimpleDBなどのNoSQLデータベースを提供しており、長期的に生き残っていくことは容易ではないでしょう。
そうした中で、キーバリュー型デーアタストア、ドキュメント指向データベースなど、ジャンルの中でいかにトップの位置を保てるかがNoSQLデータベースの生き残り戦略として重要になってきます。MembaseもCouchOneも商用のNoSQLベンダとして成長していくために、市場のこうした将来像を見据えていち早く動いたのではないでしょうか。
ちなみに、ビデオで解説を終えた二人は、仲良くすべり台で滑り降りてきました。このあたりが実にNoSQLっぽいですね :-)