クラウドに最適化したMySQLのフォーク「Drizzle」が正式版公開
MySQLからフォークし、クラウド用途に最適化して開発された「Drizzle」が3月15日に最初の正式版を公開しました。
MySQLはよく知られたオープンソースのリレーショナルデータベースです。そのMySQLを、トランザクション機能を維持したままクラウドのような大規模分散環境での並列処理とマルチコアCPUに最適化したのが「Drizzle」です。
多くのWebサービスのバックエンドでは、高速なデータベース処理を実現するために多数のMySQLサーバを用いた分散処理をしていますが、Drizzleではそうした用途に特化して設計されています。
NoSQLに対するSQLからの回答
Drizzleは、大規模なWebサービスのバックエンドデータベースとして利用することを想定しているため、Web系サービスのバックエンドとしてはほとんど使われないだろう機能が省かれています。例えば、ACL(アクセス制御リスト)ビュー、ストアドプロシージャ、プリペア文、クエリキャッシュ、トリガなどの機能はありません。
そのような機能を取り除いてMySQLをスリムダウンし、内部をモジュラー構造にデザインし直して、APIとプラグインによって機能拡張を可能にしています。またストレージエンジンにはInnoDBを採用しています。
大規模で高速性が要求されるWebサービスのバックエンドデータベースとしては、現在NoSQLが注目され、Cassandraなどの利用が始まっていますが、Drizzleはトランザクション機能を備えたリレーショナルモデルのデータベースとして大規模並列処理を実現します。Drizzleはある意味で、目的特化型データベースのひとつとして、NoSQLに対するSQLからの回答だといえます。