インテル、LANカードを無料でFCoE対応にするソフトウェアを発表。FCoE普及へ注力
サーバとストレージの接続に用いられているSAN(Storage Area Network)では、ファイバーチャネル、スイッチ、ホストバスアダプタなどで構成されており、コンピュータ間のネットワークとして使われているイーサネットとは物理層が別になっています。
このSANをイーサネットで統合する技術がFCoE(Fibre Channel over Ethernet)です。具体的には10Gbイーサネットを拡張したCEE(Converged Enhanced Ethernet)を物理層に用い、ここにSANのプロトコルを流せるようにする技術で、これによりコンピュータ間の通信も、コンピュータとストレージ間の通信もすべてイーサネットで統合することが可能になります。
ソフトウェアでNICをFCoE対応に
米インテルは、同社のサーバ向けLANカード「X520」ファミリーをFCoEに対応させるソフトウェア「Open FCoE」を公開したと発表しました。
これまでFCoEを利用するには、FCoE専用のCNA(Converged Network Adaptar)を導入する必要がありましたが、Open FCoEはソフトウェアによってLANカードにCNA機能を実装するものです。
これにより専用ハードウェアの導入を不要にすると同時に、プロセッサの性能が向上することでCNAの処理速度が自動的に向上していくというメリットがあるとインテルは説明しており、今後は同社のサーバ向けLANカードやLAN機能を内蔵するマザーボードすべてに対応を広げていく意向だと報道されています。
Open FCoEはシスコ、デル、EMC、NetApp、Oracle、Red Hatなどによる互換性テストをパスしており、専用のWebサイト「Open-FCoe.org」で公開されています。
サーバの仮想化やそれに伴うサーバの高密度化と高性能なストレージへの要求が高まってきている中で、FCoEは現在のSANを置き換えていく仕様として注目されています。これまでFCoEは普及するにしても時間がかかるのではないか、といった見方がありましたが、いまでは主要なストレージベンダ、サーバベンダがFCoEに注力し始め、そしてインテルからもこのようなソフトウェアが登場したことで、本格的な普及に向けたタイミングが訪れたといえそうです。
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