インテル、LANカードを無料でFCoE対応にするソフトウェアを発表。FCoE普及へ注力

2011年2月2日

サーバとストレージの接続に用いられているSAN(Storage Area Network)では、ファイバーチャネル、スイッチ、ホストバスアダプタなどで構成されており、コンピュータ間のネットワークとして使われているイーサネットとは物理層が別になっています。

このSANをイーサネットで統合する技術がFCoE(Fibre Channel over Ethernet)です。具体的には10Gbイーサネットを拡張したCEE(Converged Enhanced Ethernet)を物理層に用い、ここにSANのプロトコルを流せるようにする技術で、これによりコンピュータ間の通信も、コンピュータとストレージ間の通信もすべてイーサネットで統合することが可能になります。

ソフトウェアでNICをFCoE対応に

Intel Simplifies the Data Center

米インテルは、同社のサーバ向けLANカード「X520」ファミリーをFCoEに対応させるソフトウェア「Open FCoE」を公開したと発表しました。

これまでFCoEを利用するには、FCoE専用のCNA(Converged Network Adaptar)を導入する必要がありましたが、Open FCoEはソフトウェアによってLANカードにCNA機能を実装するものです。

これにより専用ハードウェアの導入を不要にすると同時に、プロセッサの性能が向上することでCNAの処理速度が自動的に向上していくというメリットがあるとインテルは説明しており、今後は同社のサーバ向けLANカードやLAN機能を内蔵するマザーボードすべてに対応を広げていく意向だと報道されています

Open FCoEはシスコ、デル、EMC、NetApp、Oracle、Red Hatなどによる互換性テストをパスしており、専用のWebサイト「Open-FCoe.org」で公開されています。

サーバの仮想化やそれに伴うサーバの高密度化と高性能なストレージへの要求が高まってきている中で、FCoEは現在のSANを置き換えていく仕様として注目されています。これまでFCoEは普及するにしても時間がかかるのではないか、といった見方がありましたが、いまでは主要なストレージベンダ、サーバベンダがFCoEに注力し始め、そしてインテルからもこのようなソフトウェアが登場したことで、本格的な普及に向けたタイミングが訪れたといえそうです。

あわせて読みたい

ハードウェア FCoE Intel システム開発 データセンター




タグクラウド

クラウド
AWS / Azure / Google Cloud
クラウドネイティブ / サーバレス
クラウドのシェア / クラウドの障害

コンテナ型仮想化

プログラミング言語
JavaScript / Java / .NET
WebAssembly / Web標準
開発ツール / テスト・品質

アジャイル開発 / スクラム / DevOps

データベース / 機械学習・AI
RDB / NoSQL

ネットワーク / セキュリティ
HTTP / QUIC

OS / Windows / Linux / 仮想化
サーバ / ストレージ / ハードウェア

ITエンジニアの給与・年収 / 働き方

殿堂入り / おもしろ / 編集後記

全てのタグを見る

Blogger in Chief

photo of jniino

Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed

最新記事10本