サイボウズがクラウド本格参入。「Kintone」「サイボウズOffice」「Garoon」をサービス化、「クラウドの会社になる」
サイボウズは独自のパブリッククラウド基盤を構築し、同社のソフトウェアである「サイボウズOffice」「Garoon」、そしてクラウド用に新規開発したPaaSの「Kintone」の提供を開始。クラウドへの本格参入を発表しました。
国内で独自クラウドを立ち上げ
同社のクラウドのブランドはドメイン名と同じ「Cybozu.com」。このドメインの下で各サービスが提供されます。
社長の青野慶久氏は「Cybozu.comは私たちの会社名のドメインであり、とても大事な資産。これをクラウドのブランドにします。言い換えれば、サイボウズはこれからクラウドの会社になります」と、クラウドへの注力を明らかにしています。
さらに青野氏は他社のクラウドについて「ログインに世界共通のURLを使っているためフィッシングにかかりやすい」「突然値上げされることがある」「障害があるとその上のサービスが巻き込まれる」などの問題をとりあげ、だからこそ国内で独自のクラウドを立ち上げることに取り組んだとしました。
同社は既存のIaaSを用いず、サーバラックのレベルから独自の技術を用いてクラウド基盤を構築しています。
コンセプトはセキュアなパブリッククラウド
Cybozu.comのコンセプトはセキュアなクラウドであると青野氏。
「Private CloudとPublic Cloudの二元論ではなく、そのあいだに守られたクラウド、Protected Cloudがあるのではないか。それを(サイボウズのクラウドの)コンセプトとした」(青野氏)。
セキュアなクラウドを実現するため、ユーザー企業ごとに独自のサブドメインを設定し、SSL経由でのログイン画面、IP制限、BASIC認証機能を用意。
オプションでクライアント証明書を用いたPKI認証サービスも提供する予定。IDとパスワードが盗まれたとしても、クライアント証明書のないPCからはログインできないため、社外からのセキュアなアクセスを実現すると説明しています。サブドメインは登録時にユーザーが設定可能。
1ユーザーあたり500円から
Cybozu.comでは、グループウェアの「サイボウズOffice」、エンタープライズ向けの「Garoon」、GUIの操作だけでアプリケーション開発可能な「Kintome」の3つのサービスの提供を今日から開始しています。
価格は、kintoneが1ユーザーあたり月額880円から、サイボウズOfficeが1ユーザーあたり月額500円から。
現在はこれらのサービスを試用可能で、11月下旬より発売開始。試用ユーザーは発売開始後から30日間無料で利用可能になる予定です。
同社は今後もメールサーバやWeb電子会議などのサービスを追加し、来年にはそれ以外の新サービスの発表も検討していると、クラウドサービス強化の方向性を打ち出しています。