サイボウズのクラウド「Kintone」は、アプリストア+ノンプログラミング開発か?
サイボウズは4月18日、クラウド上にアプリケーション開発基盤と運用プラットフォームを実現するPaaS(Platform as a Service)の「kintone」(キントーン)を発表しました。今年の秋に提供を予定しています。
kintoneの特徴は、アプリケーションの開発機能と、それを素早く運用開始できる点にあるとサイボウズは説明しています。リリースから引用します。
手頃な価格での高品質なアプリケーション開発と、これまでにない速さ(最短10分)での運用開始を実現するのが、サイボウズのファストシステム「kintone」です。
Salesforce.comの機能に似ているか?
kitoneがどのようなアプリケーション開発機能などを備えているか、まだ詳細は発表されていませんが、公開されている動画からその一端をうかがうことができます。
kitoneにはあらかじめいくつかの業務アプリケーションの機能を提供するアプリストアが用意され、ここから必要な機能やアプリケーションを選ぶことができるようです。
また、画面を独自にカスタマイズして業務にあったものにする機能も紹介されています。カスタマイズ機能では、画面に必要な部品をマウスで選択、配置していきます。
プロパティなどを設定すれば画面フォームができあがります。
こうしてみると、kitoneの中心的な機能は、基本となるさまざまなアプリケーションを提供するアプリストアと、ノンプログラミングによるアプリケーションのカスタマイズや開発機能のようです。
これはセールスフォース・ドットコムがSalesforce CRMを基本機能とし、それをカスタマイズできる機能をForce.comとしてPaaSで提供しつつ(カスタマイズだけならForce.comを使わずともできますが)、アプリストアとしてAppExchangeを用意しているモデルに似ています。
サイボウズはリリースの中でセールスフォース・ドットコムについて次のように名指しで書いており、同社を意識していることをうかがわせています。
salesforce.com社の「Force.com」のような現状の主要アプリケーション開発プラットフォームは、決して安価とはいえません。開発には複雑なプログラミング知識を必要とするサービスがほとんどです。そのため、注目度が高いにもかかわらず、実際に導入にはコストや工数の大きな壁が立ちはだかっています。
サイボウズは、kitoneの基盤となるクラウドとしてのIaaSも同時に開発していると発表しています。さらに同社は以前から「サイボウズ デヂエ」のような、カスタマイズにより業務アプリケーションを構築することを売りにした製品を提供してきており、そこで得たノウハウの蓄積も活かせるでしょう。
秋に登場する日本発のPaaSがどのような製品になるのか、期待して待ちたいと思います。
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