Jolt Awards 2011が選んだ、優れた設計/モデリング/アーキテクチャツール
米Dor.Dobb's Journalが主催するJolt Awardsは優れた書籍を選出することでよく知られています。それについては記事「この1年の優れたIT系書籍はどれか?「Jolt Awards 2011」が6冊を発表」で紹介しました。
しかしJolt Awardsは書籍だけではなく、優れたソフトウェアについても選出しています。ちょうど先月10月26日に、設計やモデリング、アーキテクチャに関するツール分野で3つの製品が選出されたところです。
あまりこの分野のソフトウェアが注目されることが少ないので、どんな製品が選出されたのか見てみることにしましょう。各ソフトウェアの説明は、それぞれのWebサイトの説明と、Jolt Awardsでの評価を要約して組み合わせたものです。
Blueprint Requirements Center 2010
1つ目は、Blueprintの「Blueprint Requirements Center 2010」です。開発プロジェクトにおいて要件の作成やバリデーションなどをコラボレーションできるツール。
手書きの要件管理では、要件に変更があったときに関連する部分を漏れなく対応することは手間のかかることですが、このツールではこうしたことを自動で反映してくれる機能を備えています。
ユースケースもビジュアルに記述でき、できあがったドキュメントはイメージやHTML、Wordドキュメントなどにエクスポート可能。
Jolt Awardsの評価から。
With no shortage of features, a simple interface, and a great attention to detail, Requirements Center has earned its place as a must-have tool, which will bring greater productivity and quality to projects of all sizes.
機能に不足はなく、シンプルなインターフェイスとよく作り込まれた細部により、この製品は必須のツールの座を得ている。どんなサイズのプロジェクトに対しても、大きな生産性向上と高い品質をもたらしてくれるだろう。
Restructure 101
Headway SoftwareのRestructure 101は、サンドボックスを用いていきあたりばったりに作られたコードを解析し、複雑さや依存性といったものを排除するためのツール。
解析によってコンポーネントやメソッド、クラスの依存性マップをグラフィカルに表示したり、コードの複雑さを示すチャートの表示が可能です。
Jolt Awardsは以下のように評価しています。
I was also impressed with the variety of ways I could view my code structure: not only did Restructure101 show me the structural problems I already knew about, it showed me several I had no idea existed.
コードの構造をさまざまな方法で表示できることに感心し、すでに自分で気がついているコードの問題だけでなく、気がつかない課題まで見せてくれた。
Visual Paradigm for UML
名称にUMLとついているものの、Visual Paradigm for UMLは設計に必要な機能が一通り揃っています。
UMLによるソフトウェアの設計、ユースケースやシーケンス図の作成、Java/C++のソースコードをリバースエンジニアリングし、UMLへと変換可能。その逆にUMLからソースコードの生成も可能です。ER図、ORM図などもサポート。ブレンストーミングのためのマインドマップや間取り図(Affinity Diagram)までもサポートしています。
そしてレポート機能も充実。
VP-UML has excellent reporting capabilities that can produce model documents in PDF, Word, or HTML format. The report generation dialog lets one easily select the diagrams and level of detail that will produce the right design document for each audience.
本製品のレポート機能はPDF、Word、HTMLなどでモデル文書を生成可能。レポートで生成される図は、図や詳細の選択が容易で、どの読み手にとっても適切なようにデザインされる。
ただし機能が多く複雑なため、慣れるのには時間がかかるという指摘も。無料のコミュニティエディションも提供されています。