次世代JavaScriptを“いま”実現するグーグルの「Traceur」
現在仕様策定中の次世代JavaScriptが備えるであろうクラスの継承やモジュール化機能を、いまのJavaScriptで実現するコンパイラ「Traceur」をグーグルが公開しました。
TraceurはJavaScriptで記述されたコンパイラとして実装されており、オンザフライでTraceur対応JavaScriptを現在のJavaScriptに変換、実行します。
具体的には、HTMLの先頭で「traceur.js」を読み込んでおくと、そのWebサイトではそれ以後、Traceur対応のクラスやモジュール化機能を備えた次世代JavaScriptをそのまま実行できる、ということになります。
次世代JavaScriptを現在のJavaScriptにコンパイル
Traceurを解説したスライド「JavaScript: Say it like you mean it」(Chromeブラウザで表示可能)によると、Traceurで実現される主な機能には、クラスの継承やモジュール化、非同期コールバックなどが含まれています。
これらは次世代のJavaScriptとして現在ECMA Internationalで検討されている、ECMAScript.nextもしくはECMAScript“Harmony”と呼ばれる言語仕様としても議論されている機能です。そのためグーグルはTraceurを次のように紹介しています。
Traceur is a JavaScript.next-to-JavaScript-of-today compiler that allows you to use features from the future today.
Traceurは次世代のJavaScriptを現在のJavaScriptに変換するコンパイラであり、将来の機能をいま実現することを可能にしています。
ただしECMAScript.nextは2013年頃の仕様策定完了を目指しており、まだプロポーザルの段階です。Traceurも、その仕様を議論するための材料として使えるものだと説明されています。
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