生まれ変わったJavaFX 2.0、Webブラウザと統合可能。JavaOne 2011
JavaFXは昨年方向転換を行い、クライアントアプリケーションをJavaで記述するためのJavaの拡張という位置づけとなりました。
サンフランシスコで先週、10月4日から開催された「JaveOne 2011」で、生まれ変わって再出発となったJavaFX 2.0正式版のアナウンスが行われました。
基調講演でのJavaFX 2.0に関する内容を紹介しましょう。
JavaFX 2.0正式発表
オラクル Client Java Platformチーフアーキテクト Richard Bair氏。
JavaFXは当初JavaFX Scriptで記述するものだったが、Javaですべて記述できるように方針を転換したことを昨年発表した。
あらためてJavaFXの目的を見てみよう。
クロスプラットフォームはJavaの根本だ。そしてJavaのエコシステムを活用するために、JavaFX 2.0はJavaデベロッパーにとって自然な形で言語の拡張となるようにしなければならない。
またデザイナーとプログラマーのワークフローも重要だ。WebアプリケーションのCSSのように、Java Clientでもそういったものが必要だと考える。
そして今日、JavaFX 2.0の正式版を発表する。
Mac OS X対応のJavaFX 2.0デベロッパープレビューもリリースする。今後さらにほかのプラットフォームにも対応していく。
JavaFX 2.0の主な機能は、100% Java API、ユーザーインターフェイスのマークアップ言語FXML、WebKit内蔵でWebコンテンツとの統合、Swingとの統合だ。
Webブラウザとの統合
JavaFX 2.0のデモを見ていただこう。このデモはSDKに含まれているので、ダウンロードして試すこともできる。
このデモは全部がChrome Webブラウザの中で動作しており、Webブラウザと統合されている。Webページの中に埋め込まれており、ブックマークもできるし、ヒストリー機能で前後へも行ける。
これは、ある会社の自動車の販売状況を示すアプリケーションだ。MySQLデータベースとGlassfishミドルウェアを使った完全なサンプルアプリケーションである。
テーブルビューでは、列の入れ替えも、列をクリックしてソートもできる。サンプルはBSDライセンスだから自由にコピーして使ってもらって構わない。
もう少し楽しいデモを紹介しよう。
デュークが3Dオブジェクトの空間に表示され、これをKinectでリアルタイムに操作。GPUのパワーで照明効果もリアルタイムに表示している。(会場、大いに盛り上がる)
ぜひJavaFX 2.0を試してみてほしい。
Java EE 7
次の記事では、来年登場予定のJava EE 7について紹介する予定です。
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