IaaSクラウドではAmazonが圧倒的ビジョナリー。米ガートナーのマジッククアドラント
ある分野で競合するベンダ各社の相対的な位置付けを明らかにするガートナーのマジッククアドラント。米国におけるIaaSクラウドとWebホスティング分野のマジッククアドラントが、記事「Magic Quadrant for Cloud Infrastructure as a Service and Web Hosting」で公開されています。
(追記 2011/1/14 マジッククアドラントの図の転載についてガートナーより指摘を受けたので削除しました。図は上記の記事からご覧ください。)
マジッククアドラントは、上にいくほど実行能力が評価され、右に行くほどビジョンが評価されています。右上の区分が市場の「リーダー」と見なされ、右下の区分は「ビジョナリー」。左上が「チャレンジャー」で、左下は「ニッチプレイヤー」と見なされます。
Amazonクラウド、IBM、NTT Communicationsの評価は?
この図には、米国におけるIaaSとWebホスティングのベンダが配置されているため、日本ではあまりなじみのない名前が並んでいます。ここでは、日本でもよく知られているAmazon、IBM、NTT Communicationsを見ていきましょう。
まず、Amazonクラウド。この図では他と比べてビジョンにおいて完全に抜け出していますが、実行能力の面では中央の平均的な場所に位置しているようです。
ガートナーの評価を要約すると、Amazonはこの分野でリーダーと見なされ、非常にイノベーティブで動きが速く、もっとも充実した製品群を提供している。パートナーとの強力なエコシステムも備え、圧倒的な規模を持つ。一方で、マネージドサービス、コロケーションといったサービスを提供しておらず、SLAも弱い。
IBMは、マジッククアドラントのほぼ中央に位置しており、市場の中では平均的なプレイヤーとみなされているようです。
ガートナーの評価を要約すると、IBMはマネージドサービスとアプリケーション管理を揃えており、ディザスタリカバリもある。IaaSは目的に特化したものを提供しており、RationalとTivoliのツールと統合されたテストと開発用クラウドがある。一方で、クラウド戦略はIaaSよりもSaaSにフォーカスしており、IaaSは前述のように同社のソフトウェアとの統合が特徴である、としています。
NTT Communicationsは、マジッククアドラントのやや左下に位置。
ガートナーの評価では、キャリアグレードで国際間のサービスを提供することができ、グローバル企業の大規模で複雑な要求を実現できるが、そのアプローチは非常に保守的である、としています。
ホスティングとIaaSの市場は5年以内に統合する
ガートナーでは5年以内にホスティングとIaaSの市場は完全に統合されると予想しており、それが、このマジッククアドラントでホスティングとIaaSクラウドを合わせて評価していることの理由のようです。
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