HTML5のモバイルアプリを“ネイティブアプリ化”する「PhoneGap」が正式版に。オンラインでの変換サービスも発表
HTML5、CSS、JavaScriptなどのWeb標準の技術で作成したモバイルアプリケーションを、iPhoneやAndroidなどのデバイスにインストール可能なネイティブアプリケーションへと変換するフレームワーク「PhoneGap」が、正式版「PhoneGap 1.0」になったと開発元のnitobiより発表されました。
PhoneGapはオープンソースソフトウェアとして開発されているソフトウェアで、無料でダウンロードし利用することができます。
デバイスごとのネイティブアプリケーションに変換
PhoneGapを、jQuery Mobileのようなマルチデバイスに対応したモバイルアプリケーション用フレームワークと組み合わせると、HTMLやJavaScriptなどのWeb標準の技術で容易にマルチデバイス向けアプリケーションを開発し、それをさまざまなデバイスに対応したネイティブアプリケーションへと変換可能になります。
ターゲットとなるモバイルOSは、iOS、Android、WebOS、Windows Phone 7、BlackBerry、Symbianなど。ネイティブ化したアプリケーションは、当然ながらAppStoreやAndroid Marketなどで販売可能です。
ただしPhoneGapのネイティブアプリケーション化は、ネイティブコードへとコンパイルするのではなく、Webアプリケーションをラップして実現する方式なので、アプリケーションの実行速度はそのままです。
デバイスAPIにも対応し、カメラやGPSによる位置情報などにもアプリケーションからアクセス可能になっています。
オンラインでのPhoneGap変換サービスも発表
PhoneGapの正式版に合わせて、PhoneGap開発元のnitobiはオンラインでPhoneGapの機能を提供するサービス「PhoneGap:Build」を発表しました。
PhoneGap:Buildは、Web標準で作られたアプリケーションをクラウドへアップロードすると、自動的にネイティブアプリケーションに変換されたファイルをダウンロードできるというサービス。
PhoneGapを用いてローカルでアプリケーションを変換するには、アップルのSDKやAndroidのSDKなど、ターゲットとするモバイルOS用の開発環境をローカルに構築する必要がありますが、PhoneGap:Buildではそうした手間を省けるため、手軽に変換が可能になります。
PhoneGap:Buildは現在ベータ版で登録が必要。価格などは未定となっています。
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PhoneGapとともに注目されているjQuery Mobileは現在ベータ版。今月中には正式版が登場する見通しとなっています。
先週、@ITとASCII.jpでは申し合わせたようにPhoneGapに関する連載が始まりました。興味のある方はあわせてご覧ください。
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