[速報]HTML5/JavaScriptでWindows 8対応アプリを作る「Visual Studio」「Expression Blend」登場。BUILD 2011
マイクロソフトは9月13日(日本時間9月14日早朝)、開発者向けのイベント「BUILDカンファレンス」を開催、開発コード名「Windows 8」の詳細を初めて明らかにしました。
Windows 8で搭載される「Metroスタイル」と呼ばれるインターフェイスに対応したアプリケーションの構築には新しいAPIが用意され、C/C++、C#、VBなどに加えてHTML5/JavaScriptでも開発可能になります。
これに合わせ、開発ツールのVisual Studio、Expression BlendもHTML5/JavaScript対応となりました。
基調講演の模様を紹介しましょう。
(本記事は「Windows 7より軽くなったWindows 8、タッチUIなど詳細をマイクロソフトが初披露。BUILD 2011」の続きです)
Metroスタイル用の新しいAPI「WinRT」
Windows and Windows Live Divisionプレジデント、スティーブン・シノフスキー氏、再び登場。Windows 8アプリケーションの開発について。
これまでのWindowsアプリケーションは、C/C++でWin32 APIの開発や、C#やVBで.NETやSilverlightの開発、そしてHTML/JavaScriptのアプリケーションはInternet Explorer上で実行するという形になっていた。言語ごとにAPIが違い、サイロ化していた。
しかしWindows 8のMetroスタイルのアプリケーションでは、C/C++、C#、VB、HTML/CSS/JavaScriptのどれでも選んで開発することができる。(会場拍手)
APIを新しくWinRT(Windows Run Time)とした。WinRTは、モダンなアプリケーション構築を実現する。すべての言語はWinRTを呼び出す。
Visual StudioとExpression BlendでHTML5/JavaScript
Metroスタイルの開発に対応したVisual Studio 11 Developer Preview。あらかじめテンプレートが用意されている。ここではHTML5/JavaScriptでアプリケーションを開発してみよう。
HTML5のテンプレートが展開された。CSSにはスタイリングのルールも書き込まれている。
ここに3行、hタグでタイトル、canvasタグ、buttonタグを書き込み、CSSで背景の色を設定、JavaScriptでマウスイベントを取得してキャンバスを操作するコードを書き込む。
これを実行してみよう。JavaScriptだからコンパイルもせずそのまますぐ実行できる。すると、タッチやマウスで絵が描けるアプリができた。
これはまだMetroスタイルになっていないので、もう少し追加する。
JavaScrioptからAPIでファイルピッカーを呼ぶコードを1行追加する。すると、Metroスタイルのファイルピッカーがすぐに実現できる。
これで写真を選んで読み込み、そこに絵を上書きできる。「Charms」からTwitterへポストもできる。
もっとMetroスタイルっぽくしよう。画面レイアウトのために、Expression Blendを起動する。
Expression BlendではCSSを扱えるるようになった。CSSの新機能グリッドレイアウトを使い、Canvasをグリッドで中心に持ってくる(注:CSSのグリッドは現在策定中で、プロパティには-ms-gridプレフィックスが付いている模様)
これで実行すると、Canvasが画面中央に位置するようになった。
Windows 8に統合されたストアでアプリケーション販売も可能
Windows 8には「Store」が統合される。
ここからソフトウェアをクリックすると、自動的にダウンロードが始まり、インストールされてすぐにアプリケーションが実行できる。
もちろん無料、有料のもの、ゲームもあるし、いま作ったアプリケーションも登録できる。
従来のスタイルのアプリケーション「Quicken」も売っている。つまりストアで販売するために何かアプリケーションを書き換える必要はない。
まとめよう。Metroスタイルのアプリケーションのために、新しいAPIとツールを用意した。しかもMetroスタイルのアプリケーションは簡単に作れ、言語やツールもえらべる。
ストアが用意され、ビジネス機会も広がる。
基調講演の模様は「[速報]Windows 8のハードウェアサポート機能、Hyper-V搭載。Windows LiveもタッチUIに。BUILD 2011」に続きます。
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