HerokuがNode.jsのサポートを開始、PHPクラウドのPHP Fogは正式サービスを開始
PaaSに関する短いニュースを2本紹介しましょう。
Ruby on RailsのPaaSをクラウドで提供しているHerokuが、Node.jsのサポートを実験的に開始したと発表しました。
RubyとNode.jsは補完関係にあると、Node.jsのサポートを発表したブログの中で説明しています。その理由は、デフォルトではすべてのI/O操作がブロックとなるRubyに対して、Node.jsではノンブロッキングだからだそうです。
既存のRubyアプリケーションの中でリアルタイムにイベントハンドリングをしたい部分や、大規模な並列性を求められるに関してNode.jsのコンポーネントを呼び出す、といったRuby on RailsとNode.jsの組み合わせを提案しています。
PHP Fogは正式サービスへ
PHPのPaaSを提供しているPHP Fogは先月ベータを卒業し、正式サービスとなりました。
PHPはあまりエンタープライズでは使われていない印象ですが、同社は「PHP Fog for Enterprise」という企業向けのサービスメニューを用意し、高信頼性と24時間365日のプロフェッショナルサポートサービス、トレーニング、セキュリティサービスなどを提供しています。
HerokuとPHP Fogに共通する2つのチャレンジ
HerokuとPHP Fogの両社には、共通するチャレンジが2つあります。
1つは、RubyとPHPというエンタープライズ向けのアプリケーションではまだマイナーな言語によるPaaSの市場をいかに広げるか、というチャレンジ。Herokuは昨年セールスフォース・ドットコムに買収され、エンタープライズ市場へのチャレンジを始めており、PHP Fogも前述のようにエンタープライズ向けサービスの充実をはかっています。
果たしてエンタープライズ市場でRubyやPHPが受け入れられる日がくるでしょうか?
もう1つのチャレンジは、より安定したプラットフォームの構築です。両社ともAmazonクラウド上にPaaSを構築しており、4月に起きたAmazonクラウドの大規模障害の巻き添えを食ってサービスの停止を余儀なくされていました。
いまや、「基盤のクラウドが落ちたのでサービスが止まりました」という言い訳は難しい時代になっています。PaaSとして安定したプラットフォームとするには、特定のデータセンターやクラウドに依存せず、障害に遭遇しても問題なくフェイルオーバーを実現するようなシステムの実現がPaaSを提供する事業者の責任になっています。両社共に、その実現に向けた努力をしているところでしょう。