EPUB 3、ファイナルは6月以降にずれ込む模様。ドラフト第3版公開
電子書籍フォーマットの国際標準仕様を策定しているIDPF(International Digital Publishing Forum、国際電子出版フォーラム)は、現在策定中の電子書籍フォーマット「EPUB 3」のパブリックドラフト第3版を公開しました。
この版でフィーチャーフリーズとなり、特に大きな問題がなければこの版がそのままファイナル版になる見通し。
当初、EPUB 3は5月15日を目標に仕様をファイナルにする作業を進めていました。しかし現在の進捗では5月中にはファイナルとならず、6月以降にずれ込む模様です。
夏にはアップルの日本語版iBookstoreも?
EPUB 3は、HTML5とCSS3など現在W3Cで策定中の最新のWeb標準をベースにしたオープンな電子書籍フォーマットです。アップルのiPadや Google Books、ソニーのReaderなどで採用されており、PCでもEPUBリーダーをインストールすることで表示可能で、電子書籍の有力な国際標準フォーマットと考えられています。
また、縦書きやルビ、圏点(傍点)、禁則といった日本語の書籍に不可欠だった要素が含まれているため、EPUB 3の登場は国内での電子書籍の普及を促進することが期待されています。
EPUB 3の仕様策定と並行して、おもにアップルを中心としてWebKitによる縦書きやルビといったEPUB 3に含まれる予定の機能の実装も進んでいます。アップルは今年の夏にも日本語版のiBookstoreを本格展開すると見られており、EPUB 3のファイナルは電子出版業界にとって重要な関心事となっています。