次期電子書籍フォーマット「EPUB 3」のパブリックドラフトが公開、5月にはファイナルの予定
電子書籍フォーマットの国際標準仕様を策定しているIDPF(International Digital Publishing Forum、国際電子出版フォーラム)は15日、現在策定中の電子書籍フォーマット「EPUB 3」のパブリックドラフトを公開したと発表しました。
EPUB 3は、HTML5とCSS3など現在W3Cで策定中の最新のWeb標準をベースにしたオープンな電子書籍フォーマット。EPUBはアップルのiPadやGoogle Books、ソニーのReaderなどで採用されており、PCでもEPUBリーダーをインストールすることで表示可能で、電子書籍の有力な国際標準フォーマットと考えられています。
EPUB 3は今年5月に完成予定
EPUB 3の仕様には、縦書きやルビ、圏点(傍点)、禁則といった日本語の書籍に不可欠だった要素が含まれているため、EPUB 3の登場は国内での電子書籍の普及を促進することが期待されています。と同時に、どんなデバイスやソフトウェアであってもEPUB 3に対応していれば日本の電子書籍に対応できるようになるため、マンガや小説などあらゆる日本の出版物が国際市場へ踏み出すためのチャンスとしても期待されています。
EPUB 3にそうした日本語を含む国際化仕様を組み込んでいるのがEPUBのサブグループ「Enhanced Global Language Support」(EGLS)で、そのコーディネータは日本人の村田真氏が努めています。村田氏は少し前にEPUB 3そのもののエディタにも任命されたようで、公開されたEPUB 3のパブリックドラフトにはEditorsの欄に村田氏も名前を連ねています。
現在、EPUB 3の縦書きやルビ、圏点といった仕様の参照の基となるW3CのCSS3の策定も含め、関係者は最後の詰めの作業に入っており、仕様に合わせてWebkitによる実装も進んでいます。EPUB 3のパブリックドラフトは当初12月に公開される予定でしたので、やや予定より遅れているように見えますが、今のところ今年5月に完成するという予定に変更はなく、完成が待たれています。