フランス政府、公共データの公開サイト「data.gouv.fr」を開設
フランス政府は12月5日付けで、政府機関が発行する情報を公開するプラットフォームとなるWebサイト「data.gouv.fr」を公開しました。政府機関が収集、発行するさまざまな統計情報、地理情報、環境情報、伝染病の情報、予算、支出、調達などを「オープンデータ」として公開します。
公共データをこのように公開することの目的は2つあると、サイトの記事「Open Data : une source d’informations qualifiées, un vecteur d’innovation et de développement」(オープンデータ:確実なデータソースからのデータ提供は、発展とイノベーションを目指す)で説明しています。目的の1つ目は政府の透明性を高めること、そして2つ目はデータを分析し活用することで新たなサービスが生まれたりイノベーションが起きることを期待しているとのことです。
別の記事「La politique de la France en matière d’ouverture des données publiques」(公共データの公開開始にあたり、フランス政府のポリシーとは)では、次のように書いています。
Ainsi lors de la réunion du G8 à Deauville en mai, le Président Obama a souligné l’importance de « l’Open Data » dans la nouvelle méthode de gouvernance américaine. Et le Premier ministre Cameron a rappelé récemment que « l’ouverture des données publiques peut constituer un levier puissant pour réformer les services publics, favoriser l'innovation, et remettre le pouvoir entre les mains des citoyens. »
5月に行われたダブリンでのG8会議で、オバマ大統領は米国政府におけるあらたな方法論としての「オープンデータ」の重要性を指摘した。またキャメロン首相も「公共データの公開は公共サービスを作り替える新たなきっかけとなり、イノベーションを推進し、市民の新たな力となる、と繰り返した。
(フランス語の翻訳は、フランス語から英語に変換したものを日本語にしています。もし変なところがあれば教えてください)
ぜひ日本にも情報公開のプラットフォームを
政府がデータ公開のためのWebサイトを作成する例は、米国の「Data.gov」がよく知られていますが、カナダの「www.data.gc.ca」、香港の「Data.One」、イタリアの「dati.gov.it」、サウジアラビアの「saudi.gov.sa」など、20カ国以上がすでに実行している施策です(data.gouv.frのフッタにリンクが並んでいます)。
いまビッグデータが注目されるキーワードになっていますが、ビッグデータの重要なデータプロバイダの1つは明らかに政府機関です。しかし日本では省庁ごとにそれぞれのWebサイトでプレスリリースが公開され、政府機関の情報を横断的に見るのに手間がかかるのが現状で、情報公開も省庁縦割りのまま。
この現状を改善して透明性を高めると同時に、フランス政府が書いたように、政府機関の生データが公開されれば、その利用や分析によってさまざまな知見や新たな付加価値をもたらすことが期待されます。ぜひ他国を見習ってdata.go.jpを構築していただきたいものです。
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