Amazon S3対抗のサービスを実現できる、クラウド向けオブジェクトストレージ「Atmos」をEMCが国内投入
「クラウドベンダがこの製品を採用することで、Amazon S3対抗のサービスを提供できる」というEMCのクラウド向けストレージ製品「EMC Atmos 2.0」(アトモス 2.0)が、EMCジャパンから販売開始になりました。
Atoms 2.0は、オブジェクトストレージとして以下の特徴を備えています。
- ノードを追加することで容量の制限がなくいくらでもストレージ容量が増やせるスケールアウト型のアーキテクチャ
- 地理的に離れたサイトをまとめて単一の名前空間を持つ大きな1つのストレージを構成できる
- ストレージに対してHTTPを用いたシンプルなRESTベースのAPIでアクセス可能
そのほか、冗長性を確保するためのノード間でのオブジェクトの複製や、分割して複数のノードにパリティ付きで保持する機能なども備えています。
また、クラウド事業者などがサービス提供を行う際に便利な、ストレージを複数の論理テナントに分割可能な機能、またオプションで課金情報の設定や認証サービス、サービスポータルなどの構築に必要な「Atmos Cloud Delivery Platform」も提供されます。
米AT&TがAmazon S3対抗サービスのため採用
オブジェクトストレージのサービスとしては、Amazon Web Servicesが提供するAmazon S3が代表的です。しかしオブジェクトストレージはストレージのほかの技術と比較すると新しい分野であり、Amazon S3と同等のオブジェクトストレージサービスを提供するクラウド事業者はあまり多くありません(国内ではNiftyやIIJなど)。
Atmosはそうしたクラウド事業者や大規模なシステムを運用する組織などをターゲットにした製品で、実際に米AT&TはAmazon S3対抗のサービスを迅速に提供するためAtmosを採用、またeBayもオブジェクトストレージとしてAtmosを採用しているとのことです。
EMCでは現在、Atmosに対してAmazon S3互換APIを開発中で、現在β版とのこと。
Atmosはラックに搭載された容量60テラバイトからの専用ハードウェア(容量などの違いで3種類)と、主に開発用途を想定した仮想アプライアンスのVirtual Editionの2種類が提供されます。EMCによるとAtmosは低価格で、採用したクラウドサービスも価格競争力のあるものになるだろうとしていますが、Atmosの価格は個別見積もりになっています。
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