「さくらのクラウド」料金が発表。「Amazon EC2の半額」は実現できたか?
Amazon EC2の半額以下で登場する、と先行報道されたさくらインターネットのクラウドサービス「さくらのクラウド」の価格体系が、11月7日に都内で行われたユーザーイベント「さくらの夕べ」で発表されました。
田中邦裕社長は「まずはおわび」として、「1000円以下のクラウドという期待には応えられなかった」と、つかみともとれる発言を切り出し、「最小構成のメモリを2GBにすべきか、500MBの構成も作るべきか悩んだが、VPSとの差別化として、この構成から始めさせてもらうことにした」と、絶対価格の安さよりも一定の性能を選んだことを説明。
その上で、もっとも低価格なサーバプランが、仮想1コア/メモリ2GBの構成で月額料金2500円(日割料金126円)であることを発表しました。最高性能のプランで仮想12コア/128GBメモリで月額9万6000円(日割料金4800円)となっています。
ネットワーク転送料金は無料
さくらのクラウドではシンプルな料金体系が大きな特徴で、ネットワーク転送料金は無料。サーバプランと追加ディスク、スイッチやルータなどのネットワーク機能、スナップショットなどのオプションの4つのみで月額料金が設定されるため、クラウドに申し込んだ時点で利用料金が分かります。
スイッチは月額5250円、追加ディスクとスナップショットの料金表は以下になります。
20日までの利用は日割りで課金され、それを越えると自動的に月額課金になるため、事前に日割りで申し込むか、月額で申し込むかを選ぶ必要もありません。
「Amazon EC2の半額」は実現したのか?
詳しい価格の発表を行った同社新規事業室の横田真俊氏は「こんな記事がでてしまったら、やらざるを得ない」と、価格設定でAmazon Web Servicesを意識したことを吐露したうえで、同社が計算した価格比較表を示しました。
同社の計算によると、さくらのクラウドの最小構成(プラン1)、中間的な構成(プラン5)、大きめの構成(プラン11)において1ドル77円換算での月額料金を比較した結果、いずれも半額以下に収まっていると説明。
「微妙にプランが違うので正確に半額ではないが、なんとかクリアさせてもらいました」(横田氏)と、期待を裏切らない価格設定にできたことに胸を張りました。
さくらのクラウドは、来週11月15日の15時に行われる同社の石狩データセンター開設と同時に正式サービスインする予定です。
(2011/11/8 12:42追記:プレスリリースとして、さらに詳細な価格が発表されました)
あわせて読みたい
米Yahoo!がJavaScriptフレームワーク「Mojito」と、Node.jsのホスティング環境「Manhattan」発表。同一コードをブラウザ、サーバ、iOSアプリで実行可能
≪前の記事
サイボウズがクラウド本格参入。「Kintone」「サイボウズOffice」「Garoon」をサービス化、「クラウドの会社になる」