メインフレームモデルがコモディティ化へ向かっている。Amazonクラウドの役員がデータセンターのイノベーションを解説
Amazon Web ServicesのVice Presidentで、ブログ「Perspective」でも知られるJames Hamilton氏が、6月7日に行われた「Amazon Technology Open House」の資料「Cloud Computing Is Driving Infrastructure Innovation」(PDF)を公開し、最新のデータセンターの現状と見通しについて紹介しています。
デーセンターのイノベーションのペースは上昇しており、モジュラー/コンテナ構造のデータセンターが主流で、メインフレーモデルのサーバがコモディティ化に向かっている、といった内容が含まれている資料のポイントを見ていきましょう。
Cloud Computing Is Driving Infrastructure Innovation
データセンターのイノベーションのペースは上昇しており、過去5年で起きたイノベーションは、それ以前の15年で起きたイノベーションを上回る。このイノベーションの原動力となっているのは、クラウド事業者やサーチのような大規模サービス事業者だと。
さらにインフラストラクチャのイノベーションに対するフォーカスが強まっているとのこと。
データセンターに対する投資はどこに使われているのか?
57%はサーバ、8%がネットワーク機器、18%が配電と冷房で13%が電源。
電源周りで合計31%を消費しており、これはサーバの57%に次ぐ大きさ。逆にネットワーク周りは8%と小さい値になっているのが意外です。
モジュラー/コンテナ構造のデータセンター主流に。
ネットワークの著しい変化が起きている。現在のネットワークはワークロードの配置を制限しており、目指しているのはデータセンターのあらゆる場所がネットワーク的に等距離に接続されるネットワーク構造。
あらゆるレイヤを統合した競合が起きているため、メインフレームモデルがコモディティ化するだろう。
ネットワークのメッシュ化、ハードウェアの垂直統合
データセンターのイノベーションが加速している点、モジュラー構造のデータセンターが広まっている点については、これまでもPublickeyで扱ってきた内容ですので、あらためてそれを確認できました。
一方、最近注目しているネットワークのツリー構造からメッシュ化/ファブリック化への変化、そしてハードウェアの垂直統合についても、「データセンターのあらゆる場所がネットワーク的に等距離に接続されるネットワーク構造を目指す」こと、つまりメッシュ的なネットワークに向かっていること、そして垂直統合によって「メインフレームモデルへ向かっている」ことなどが読み取れました。これらは今後、企業が利用するデータセンターやサーバに対しても影響を及ぼしていくことになることでしょう。
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