何が起きている? インテルがFulcrumを買収、デルがForce10を買収、オラクルがKspliceを買収
先週はメジャーベンダーによる買収が相次いだ一週間でした。いずれも、これからのエンタープライズ向けハードウェアの主戦場がデータセンター向けの機材になることを強く意識した各ベンダが、買収による激しい陣取り合戦を繰り広げている、そんなことを思わせるものでした。
インテル、Fulcrum買収でイーサネットスッチ市場へ拡大
7月19日、インテルはFulcrum Microsystemsの買収を発表しました。Fulcrumはイーサネットスイッチのチップやソフトウェアを開発するベンダ。
インテルは言わずとしれたPCやサーバのプロセッサベンダで、最近ではモバイル向けプロセッサにも力を入れていましたが、Fulcrumの買収によってスイッチ向けのチップの供給へとビジネスの範囲を拡大することになりそうです。
インテルのバイスプレジデント&データセンターグループ ゼネラルマネージャ カーク・スカウゲン(Kirk Skaugen)氏は次のように述べています。
“Intel is transforming from a leading server technology company to a comprehensive data center provider that offers computing, storage and networking building blocks,”
インテルはサーバ技術をリードする企業から、データセンター全体の技術、つまりコンピューティング、ストレージ、ネットワーキングといった構成要素を包括的に提供する企業へと変わっていく。
デル、Force10の買収でネットワーク機器分野を強化
7月20日、デルはForce10 Networksの買収意向を発表。Force10は、データセンター向け構成のスイッチやルータ、関連ソフトウェアなどを提供するベンダ。
デルは2007年にストレージベンダのイコールロジックを買収。昨年には同じくストレージベンダの3PARの買収を表明しつつもライバルのヒューレット・パッカードに競り負けましたが、Compellent、Ocarina Networksを相次いで買収、今年に入り複数サーバのメモリを単一化するRNA Networksも買収し、サーバとストレージの製品ラインを強化してきました。
そして今回の買収で、データセンター向けのネットワーク機器が新たな製品ラインに加わることになりそうです。
同社はプレスリリースで次のように買収の意義を説明しています。
The acquisition of Force10 and investment in networking is a natural complement to Dell’s server strength.
このForce10の買収とネットワーク分野への投資は、デルのサーバ製品の強化にとって適切な補完関係にある。
オラクル、Ksplice買収でLinux OS機能強化
7月21日、先月ストレージベンダのPillar Systemsの買収を発表したばかりのオラクルはLinux OS関連のソフトウェアベンダKspliceの買収を発表しました。
Kspliceは、Linux OSをシステムアップデートした場合でもリブートを不要にする技術を開発してきたベンダ。オラクルはこの機能を同社が提供するLinuxのプレミアサポートでの標準機能にする見通しを明らかにしています。
Oracle believes it will be the only enterprise Linux provider that can offer zero downtime updates, and expects to make the Ksplice technology a standard feature of Oracle Linux Premier Support.
オラクルはこの技術によって、アップデートに対するゼロダウンタイムを実現する唯一のエンタープライ向けLinux提供企業になると確信している。Kspliceの技術はOracle Linuxプレミアサポートの標準機能になると期待している。
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