この1年の優れたIT系書籍はどれか?「Jolt Awards 2011」が6冊を発表。
デベロッパー向けに情報発信をしている「Dr. Dobb's Journal」が、この1年(昨年7月1日から今年の6月30日まで)に出版されたIT系書籍の中から優れた本を選ぶ「Jolt Awards」が今年も発表されました。
発表記事では選考理由などが紹介されていますが、以下では選ばれた6冊がどんな本なのかを紹介しましょう(当然ながらすべて洋書です)。DSL(ドメイン固有言語)やClojure、Continuous Deliveryなど、新鮮な話題を提供している本が並んでいます。また、マーチン・ファウラー氏の著作が2冊(「Domain-Specific Languages」「Continuous Delivery」)選ばれている点にも目を見張ります。
タイトルに目を通すだけでも、いま何が開発者のあいだで話題になっているのかが伝わってきますが、もし興味を持たれたら実際に中身を読んでみてはいかがでしょうか(以下の各書籍の紹介は、Amazonでの紹介をざっくり訳したものです)。
Jolt Awardsを受賞した6冊の本
綿密に選ばれて利用されるDomain-Specific Languages(ドメイン固有言語)は、複雑なコードをシンプルにし、顧客との意思疎通を効率の良いものにしてくれ、生産性を高め、開発のボトルネックを解決してくれるものになるだろう。マーチン・ファウラー著作の本書は、DSLをいつ、どのように利用するべきかソフトウェアプロフェッショナル向けに書かれた最初の本である。
アルゴリズム本のバイブルとも呼ばれる、ドナルド・クヌース博士による、さまざまなアルゴリズムの解説。(注:Jolt Awardsに選ばれたのは、Volume 4A: Combinatorial Algorithms)
ClojureはJavaVM上で動作する動的言語である。本書は文法解説だけでなく、本質的なClojureのコードを書く方法を紹介している。読者は、ClojureをエレガントなものとしているLispのテクニックや関数型言語について習得することができるだろう。
Ruby、Io、Prolog、Scala、Erlang、Clojure、Haskell。この7つの言語を7週間で覚える本。それぞれの言語のエッセンスやユニークな点を取り上げ、言語の重要な機能を明らかにしていく。本書を読み進めていくことで、読者はそれぞれの言語を学んでいくと同時に、強味、弱みといった特徴をも学んでいくことができるだろう(日本語版の書籍は「7つの言語 7つの世界」)
FacebookやTwitter、LinkdInといったソーシャルサービスは、大量のソーシャルデータを生成している。その中から、誰と誰がつながっているのか、誰がどこにいるのか、誰が何を好んでいるのか、といった情報をどうすれば取り出せるのだろうか? 本書では、そうしたデータの分析テクニックと、それをビジュアル化する方法などについて学ぶことができる。
ソフトウェアのリリースを行うことは、しばしば苦痛を伴うものであり、多くの時間を費やすものである。本書は、リリースを迅速に行うための一連の基本的な技術や実践方法を紹介。自動化されたビルド、デプロイ、テストプロセスそしてデベロッパーやテスター、運用担当チームなどとのコミュニケーションの改善などを通し、プロジェクトやコードが複雑であっても、数時間、さらには数分といった単位ですばやくリリースを行うことができるようになる。
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