週に1日、エンジニアが開発に集中できる日を作ろう
毎週決められた曜日には、会議も電話もメールもチャットもなく、上司から話しかけられもせず、エンジニアが開発に集中できる日が確保される。クラウド上でRuby on RailsなどのPaaSを提供しているHerokuでは、エンジニアが開発に集中できる日「Maker's Day」が毎週設定されているそうです。
Publickeyが月曜日に公開した記事「アジャイル開発手法でクラウドを作るHerokuのやり方とは」で、HerokuのエンジニアCraig Kerstiens氏のブログ」を基に、Herokuでの開発の様子を紹介しました。Kerstiens氏はその続きとして「How Heroku Works - Maker's Day」をポストし、Maker's Dayを紹介しています。
トム・デマルコ氏とティモシー・リスター氏による有名な書籍「ピープルウェア」でも、エンジニアにとって集中できるオフィス環境を用意することが、効率的で高品質なコードを開発するうえで非常に重要であると力説されています。Maker's Dayはそれを実践したものといえます。
会議が増えるからこそMaker's Dayの価値は重要になる
会社が大きくなったり、順調に成長して仕事が増えてくると、会議やメールがどうしても増えてくるもの。昨年末にセールスフォース・ドットコムに買収され、Ruby開発者のまつもとゆきひろ氏をRubyアーキテクトに迎えるなど成長が著しいHerokuでも、それは同じことのようで、だからこそMaker's Dayの価値は高まっているのだとKerstiens氏。
As Heroku has grown, meetings have increased, and the value of Maker Day’s has increased exponentially.
Herokuが成長するにつれ、ミーティングは増えている。だからこそMaker's Dayの価値は飛躍的に高まっているのだ。
この方法はスタートアップでも大企業でも実現できる方法だとKerstiens氏は勧めています。
Whether you’re in the early stages of bootstrapping a company or at a large company of thousands of engineers, one of the best practices anyone can put into place is dedicated quality time for engineers to produce code. Maker’s Day is a fantastic way to ensure this happens on a weekly basis.
あなたが会社を立ち上げている初期の段階であっても、あるいは数千人のエンジニアを抱える大企業であっても、だれもが実行できるベストプラクティスの1つが、エンジニアがコードを書くことに専念するための時間を提供すること。毎週のMaker's Dayは、それを確実にするための素晴らしい方法だ。
似たようなケースとして、日本では下着メーカーのトリンプが「がんばるタイム」と呼ばれる、仕事に集中する時間を毎日2時間設定している話がよく知られています。
こうした仕事に集中できる環境はエンジニアだけでなく、マーケティングや企画など、クリエイティブな職種のすべてで有効なはず。ぜひもっと広まってほしいものです。
開発プロジェクトで技術よりも何よりも大事なもの、それは「人」。一人一人の人格の尊重、頭を使う人間にふさわしいオフィス、人材の選び方・育て方、結束したチームがもたらす効果、仕事は楽しくあるべきもの、仕事を生み出す組織づくり、という6つの視点から「人」を中心としたプロジェクト開発の大切をユーモラスに語っている。