ビッグデータにこれから起きること11の予想
ビッグデータの登場とその分析は、いまのIT業界の大きなトピックの1つです。Hadoopのような大規模分散ソフトウェアに注目が集まり、オラクルのExadataなどデータウェアハウス専用ハードウェアが次々に登場し、またIBMによるNetezzaの買収、EMCによるGreenplumの買収、ヒューレット・パッカードによるVerticaの買収などはすべて、ビッグデータをめぐる動きだといってよいでしょう。
そのビッグデータの分野で2011年になにが起きるのか? Ingres CorporationのシニアバイスプレジデントKetan Karia氏がThe Data Warehouse Instituteに掲載された記事「11 Big-Data Analytics Predictions for 2011」で予想しています。
その中身は、2011年はチップレベルでの進化が起きるだろうといった興味深いものになっています。ポイントを紹介しましょう。
チップレベルでの大規模分散処理、分析技術がビジネスの差別化要因へ
1. We’ll hark the chips, not the hardware.
チップレベルの話をよく聞くようになるだろう
ムーアの法則によって進化するチップに対して、ソフトウェアはその能力を活かすまでに至っていない。十分な性能を実現するために、多くの企業はサーバの増強によって解決してきたが、チップレベルでの改善はさらに進むだろう。
2. Chip scale-out will date MPP and shrink big data networks.
チップレベルのスケールアウトによる大規模並列処理が実現し、巨大なデータネットワークは縮小していくだろう
1チップに256コア、512コアが実現されるようになれば大規模分散処理が可能になるため、数十のサーバによって実現されていたネットワークは不要になっていく。
3. Memory will go RAM.
記憶装置はRAMになる
ボトルネックはディスクからRAMへと移っていく。いまやすべての記憶装置をRAM化することも現実になる。そしてSSDの利用も広まっていくだろう。
4. Chip companies will spend more on R&D in 2011.
チップメーカーはさらに研究開発費を増やすだろう
大規模なビジネスデータのためのソリューションを開発するため、チップのテクノロジーにはさらに開発費が投入されるだろう。
5. Acceleration of analytics will support the agile enterprise.
分析の増加が俊敏な企業経営をサポートするだろう
分析技術はビジネスをより支援することになり、ビジネスの差別化要因となっていくだろう。
6. Businesses will sponsor their own analytical capabilities.
分析能力を持つことはビジネスによって支えられるだろう
7. Analytics gets more embedded into business applications.
業務アプリケーションの中に分析機能が組み込まれていくだろう
8. Open source moves to more hybrid models.
オープンソースはハイブリッドモデルとなっていくだろう
JasperSoft、SugarCRM、Ingresなどが採用している、いくつかの製品はオープンソースとして提供され、特定の機能は有償で提供されるようなハイブリッドモデルが広がっていくだろう。
9. Subscriptions stack up by the hour.
サブスクリプションは時間単位になっていくだろう
10. Self-service BI gets more attention.
セルフサービスBIへの注目が高まるだろう
11. Users want to be “in the moment” with data insights.
ユーザーは「いま起きていること」を分析したくなる