Yahoo!が自社のクラウド構築ソフトウェアをオープンソースとして公開へ
Yahoo!が自社内で利用しているクラウドプラットフォームの構築用ソフトウェアを、オープンソースとして来年早々にも公開する予定だと、Registerが記事「Yahoo! to open source floating Google-Amazon crossbreed」で報じています。
ロードバランスとセキュリティを確保した「コンテナ」を提供
クラウドを構築するためのオープンソースソフトウェアとしては、AmazonEC2互換のクラウドを構築できる「Eucalyptus」がすでにありますが、Yahoo!のプラットフォームはEucalyptusのように仮想マシンがむき出しで提供されるのではなく、ロードバランスとセキュリティが確保された「コンテナ」と呼ばれるものが提供されると説明されています。
詳細は不明ですが、開発者は分散処理やフェイルオーバー処理についてはコンテナにまかせることができるようです。
コンテナの上での開発は決められた言語などを使う必要はなく、Linux/Apache/MySQL/PHP/PerlなどのいわゆるLAMPに対応した開発ツールがそのまま使えると記事では説明されているため、自由に開発言語をインストールして柔軟なサーバアプリケーションの開発が可能だと予想されます。
アマゾンやグーグル、マイクロソフトなどの既存のクラウドベンダーは、クラウドを構築するソフトウェアを公開することはほとんどありませんでした。EucalyptusもHadoopも、あくまで非公開の内部動作を推察しつつソフトウェア自体は独自に開発されているのです。
Yahoo!はこれらの企業とは逆に、オープンソースとして公開することを選択することで独自性を発揮することにしたのかもしれません。
世界で間違いなくトップクラスの規模で運営されているクラウドを構築するソフトウェアがオープンソースとして公開されることは、クラウド関連の技術者や技術の発展にとって大きな影響を与えることになるでしょう。
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