[速報]マイクロソフトがWindows Azureのアプライアンスを発表。オンプレミスでWindows Azureの利用が可能に
マイクロソフトは、Windows AzureのソフトウェアとPCサーバやルータなどのハードウェアを一体化したアプライアンス「Windows Azure Platform appliance」を日本時間13日未明に米国で発表しました。
Windows Azureをオンプレミスで利用可能に
Windows Azure Platform applianceは、マイクロソフトがパブリッククラウドとして提供しているWindows Azureと同じソフトウェア構成を専用のハードウェアに組み込んだもの。SQL Azureを含み、Windows Azure用に開発されたアプリケーションがそのまま動作するとされています。
顧客は自社のデータセンターにこれを導入することで、オンプレミスでWindows Azureと同様のクラウドを利用できるほか、Windows Azureと同様にマルチテナントに対応しているため、SIerが顧客向けにサービスを提供することも可能になります。今年末から限定リリースを予定。
サーバ&ツールビジネス担当プレジデントのBob Muglia氏の説明によると、Windows Azure Platform applianceは顧客に「レンタルされる」ものになるとのこと。
「ケーブルテレビのセットトップボックスを例にすれば、それはサービスとして顧客に提供されるものだ。セットトップボックスのアップデートなどは自動的に行われるため、顧客は何の心配もなく、スイッチを入れればテレビが映るし、どのチャンネルを見るかを自分で決めることができる。Windows Azure Platform applianceもこれと同様に、顧客自身がコントロールでき、コンプライアンスに適合でき、データのローカルな保存を実現する」(Muglia氏)
マイクロソフトは、デル、富士通、ヒューレット・パッカードの3社とWindows Azure Platform applianceのパートナーとして提携。専用のハードウェアはまず、この3社から提供されることになります。
また、今回の富士通とマイクロソフトの協業を発表したプレスリリースによると、「Fujitsu-branded Windows Azure platform appliance」との記述があるため、少なくとも富士通からは同社製品としてWindows Azure Platform applianceが提供されるようです。
Widows Azure Platform applianceは、eBayが初期ユーザーとして名乗りをあげており、同社の2つのデータセンターのうちの1つで利用を開始することが発表されています。
Muglia氏は最後に、グーグルやAmazonクラウド、VMwareといった競合との違いを強調しました。グーグルやAmazonクラウドは、パブリッククラウドだけを提供しており、パートナーや顧客自身がクラウドを構築することはできません。一方でVMwareは、クラウドサービスを自社では運営しておらず、顧客が自分でクラウドを構築するか、もしくはパートナーのクラウドを利用するしかないと指摘。
「マイクロソフトだけが、自社、パートナー、顧客自身のすべてのクラウドと、IaaS、PaaS、SaaSのすべてのレイヤをカバーする唯一のベンダなのだ」(Muglia氏)
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