Windows AzureがNoSQL対応を推進中。MongoDBやMembaseなど対応へ
マイクロソフトが、オープンソースのNoSQLデータベースをWindows Azureに対応させようと活動しているようです。
NoSQLデータベースの1つ「MongoDB」が、来月にもWindows Azureへの対応強化を発表するとThe Registerの記事「Microsoft coaches NoSQL options for Azure cloud」で伝えています。
またこの記事によると、memcached互換のインメモリデータベースである「Membase」も現在Windows Azureへの対応作業を進めているとのこと。
VM RoleでWindows Azureのオープンソース利用にはずみがつくか
MongoDBはドキュメント指向のNoSQLデータベースで、オープンソースとして開発されています。JSONをベースとしたスキーマレスなデータモデルを採用し、多くのNoSQLデータベースがそうであるように、複数のサーバによるクラスタ構造により高いスケーラビリティを実現します。すでにWindows Azureで動作するとされていますが、さらにWindows Azureとの統合を高めているとのことです。
Membaseは、memcached互換のキーバリュー型データストア。memcachedとプロトコルの互換性を保証しつつ、高速かつ高いスケーラビリティを備えたデータベース機能を提供します。
こうしたNoSQLデータベースは、主にAmazonクラウドのようなLinux OSベースの仮想サーバの集合体によるクラウドを想定して開発、実装されています。一方で、Windows Azureは、Windows Server OSをベースとし、さらに仮想マシンがWebサーバに相当するWebRoleと、アプリケーションサーバに相当するWorkerRoleという2種類に分かれているなど独自のアーキテクチャを持つため、多くのNoSQLはWindows Azureには対応していません。
マイクロソフトはWindows Azureの発表当初から、オープンソースのブログCMSであるWordPressをWindows Azureに移植するなど、オープンソースに積極的なアプローチを続けており、今回のNoSQLデータベースへのアプローチもそうしたものの一環と思われます。しかし、Windows Azureでそうしたオープンソース系のソフトウェアが活発に利用されているかと言えば、まだ期待からは遠い状態でしょう。
その理由として、前述した独自のアーキテクチャが大きな要因となっていると思われますが、同社は先月、一般的な仮想サーバとなるVM Roleを発表。Windows Server OSベースですが、これでより汎用的なクラウドアーキテクチャをそのまま実装しやすくなりました。
これでWindows AzureにもAmazonクラウド並みにさまざまなオープンソースによるNoSQLなどの実装が盛んになるかどうか、今後が注目です。