W3CのHTML5仕様が、Core、Vocaburary、Microdataなど5つに分裂
HTML文書の中にメタデータを埋め込むための「Microdata」について、以前の記事「HTML5のMicrodataとは何か?」で紹介しました。このとき、W3CのHTML5を議論するグループでは、HTML5からMicrodataの仕様を分離すべきではないかと提案されていました。
この提案に対して先日投票が行われ、MicrodataはHTML5から分離されることが決定しました。また、そのほかにもHTML5からの分離が行われ、エディタのIan Hickson氏はHTML5の仕様を5つのドキュメントに分ける作業を行ったことを1月9日付けのメールで明らかにしました。
HTML5は新たに以下の5つに分けられています。
そもそもモジュラー性が問題?
この変更に関してW3Cのメーリングリストでは早速、賛成反対が入り交じった議論が行われています。いくつかピックアップしましょう。
エディタのIan Hickson氏は、まだこの分離はぎこちないものだ、と断りを入れています。
All of these splits are very awkward. Just look at the "delta" spec nonsense in the microdata draft,
その上で、本心ではWHATWGでのHTML5仕様のように、1つにまとまった文書として管理したいことを吐露しています。
IMHO this is a terrible way to organise the spec, it would be much better as a single document exactly as the WHATWG has it:
http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/
アップルのMaciej Stachowiak氏は、分離を歓迎しているようです。例として、OSのソースファイルを持ち出しています。
The Web platform should not be one giant spec for the same reason an operating system should not be linked into one giant binary that's compiled from a single giant source file.
一方でオペラのJames Graham氏は、むしろ1本のドキュメントの方がいいと発言。
My experience is that having a single spec is rather helpful;
アドビのLarry Masinter氏は、仕様文書が問題なのではなくWHATWGによる仕様に十分なモジュラー性がないことが問題だと、新たな指摘をしています。
The problem is not that HTML5 is described in a single spec, the problem is that the WhatWG design for the Web Hypertext Application Platform is not modular enough.
追記(2010/1/12):HTML5.jpの記事「HTML5 仕様から Communications の章が分離、他。」によると、CoreとVocaburaryはなくなったとあります。