VMwareとSalesforceが「VMforce」を発表へ
米国時間の4月27日、セールスフォース・ドットコムとVMwareは共同で「VMforce」を発表すると予告しています。ただし、それがどのようなものかについては明かされておらず、発表会のWebページには以下の説明があるのみです。
Join industry leaders Marc Benioff, chairman & CEO of salesforce.com, and Paul Maritz, president & CEO of VMware, for a live Webcast where they will make an exciting joint product announcement on the future of cloud computing.
セールスフォースのCEOマークベニオフと、VMware CEOポール・マリッツは、未来のクラウドコンピューティングとなる素晴らしい共同プロダクトの発表を、Webキャストを通じてライブで発表します。
ComputerworldやVirtualization.infoなどのメディアもこの件について報道していますが、どのような発表となるのか、内容については把握していない模様。
VMware+セールスフォース?
SaaSのセールスフォース、仮想化のVMwareという両者の共同発表を単純に考えれば、VMware as a Serviceのようなものが想像できます。つまり仮想サーバをオンデマンドで提供するようなサービスです。
しかしいまさらセールスフォースがAmazonクラウドのようなIaaSに参入するとは思えません。それではセールスフォースが既に提供しているSaaSの強みを活かしたり、シナジーを期待できません。それに、VMwareにはIaaSのパートナーがすでにいます。
VMwareは「クラウドベンダになる」と宣言しており、そのためのソフトウェアとしてvSphereだけでなく、Springフレームワーク、そしてZimbraなどを保有しています。さらに、仮想マシンに展開すればすぐに利用可能な、「仮想アプライアンス」と呼ばれるサードパーティのさまざまなアプリケーションもあります。
VMforceとは、こうしたVMwareのソフトウェアを、セールスフォースのクラウドを使ってサービスとして提供するものではないでしょうか?
仮想アプライアンス as a Service?
具体的にVMforceがどんなものか、予想してみましょう。それはさまざまな仮想アプライアンスを、ワンクリックですぐにサービスとして提供してくれるサービス。いわば、仮想アプライアンス as a Serviceです。
VMwareはすでに仮想アプライアンスのマーケットプレイス「VMware Virtual Appliance Marketplace」を開設しています。仮想アプライアンスを利用するには、仮想アプライアンスをダウンロードし、自分で仮想サーバを用意してそこで実行する、というのが基本的な方法です。
仮想アプライアンス as a Serviceでは、利用したい仮想アプライアンスは自動的にクラウド内の仮想サーバにロードされ、その機能をサービスとして利用することができます。仮想アプライアンスの機能をすぐにSaaSとして使えるのです。
セールスフォースはAppExchangeにこの仮想アプライアンス as a Serviceも取り入れることで、AppExchangeの品揃えを大きく拡大できます。しかもForce.comでは開発しにくいような、業務アプリケーション以外のさまざまな種類のサービスも揃えることができるでしょう。
仮想アプライアンス化したサードパーティのアプリケーションは、従来のオンプレミスだけでなく、自動的にクラウドでも利用可能になります。これはVMwareにとってより多くのサードパーティを仮想アプライアンス市場へ呼び込めることになります。
と、ここに書いたことはあくまで予想です。
果たしてVMforceとは何なのでしょうか? 発表され次第、あらためて紹介したいと思います。