Subversionの今後は? 分散型バージョン管理にはならないと提案
Apache Subversionは、ソースコードなどのバージョン管理システムとして普及しているソフトウェアです。今年10周年を迎え、2月にはApache Software Foundationの正式なプロジェクトにもなりました。
Subversionは1つのリポジトリを共有する中央集中型のバージョン管理システムですが、バージョン管理システムではここ数年、gitやMercurialといった分散型への注目が高まり、広まってきました。
こうした状況の中でSubversionの主要な開発者が集まり、今後の方針とロードマップついての話し合いが行われました。そして今後のSubversionの方針(Vision)とロードマップ(Roadmap)についての提案が、メーリングリストにポストされています。
集中型バージョン管理を堅持するという提案
方針を説明する最初の一文でもっとも気になること、すなわちSubversionが分散型バージョン管理を目指すかどうかについて記されています。提案は「分散型にはならない」と明言しています。
Subversion has no future as a DVCS tool. Let's just get that out there.
すでに成功している分散型バージョン管理システムが存在するところへ、後から割って入る余地はないだろうと考えているようです。
そして以下が、今後のSubversionの方針についての提案です。
Subversion exists to be universally recognized and adopted as an open-source, centralized version control system characterized by its reliability as a safe haven for valuable data; the simplicity of its model and usage; and its ability to support the needs of a wide variety of users and projects, from individuals to large-scale enterprise operations.
Subversionは、オープンソースの集中型バージョン管理システムとして広く知られ、また利用されてきたことに立脚する。それは、重要なデータの保管場所を提供する信頼できるシステム、シンプルな方式と利用方法、幅広いユーザーやプロジェクトのニーズをサポートできること、個人から大規模な企業まで対応できることなどによるものである。
短いバージョンも用意されています。こちらのほうが簡潔でずっと分かりやすいでしょう。
Enterprise-class centralized version control for the masses
多くの人のための、エンタープライズクラスの集中型バージョン管理システム
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