マイクロソフト、Silverlight 5発表。HTML5にもSilverlightにもWPFにも投資していく
マイクロソフトは12月2日(現地時間)、本社にてイベント「Silverlight Firestarter」を開催し、Silverlightの次期バージョンとなるSilverlight 5を発表しました。
マイクロソフトは11月に行われたPDC 10で同社CEOのスティーブ・バルマー氏がHTML5への注力を明確にしており、Silverlightの役割が大幅に縮小されるのではないか? といった危惧が報道され、それに対してマイクロソフトが火消しに回るといったことがありました。
PDCやMIXといったマイクロソフトの定例的なイベントではなく、「Silverlight Firestarter」という突発的なイベントを開催してメジャーバージョンアップを発表する背景には、こうしたSilverlightへの危惧を払拭する狙いがあったのかもしれません。
イベントの内容を紹介しましょう。
Silverlight 5発表。メディアとプラットフォーム
いつも赤いシャツで登場するスコット・ガスリー氏。
顧客はリッチメディアを求めており、それは1つの技術ではなくさまざまな技術で実現されるものだ。だからマイクロソフトのゴールはテクノロジーポートフォリオである。HTML5にもSilverlightにも、WPFにも投資していく。
その中で今日はSilverlightにフォーカスし、その将来について紹介しよう。Silverlight 5をここに発表する。
Silverlight 5は、強力なメディア機能と、開発者のためのプラットフォームを提供する。まずはメディア機能から紹介する。Silverlight 5はHDコンテントをWebに提供するリッチなプラットフォームだ。
ネットブックでもHDビデオがスムーズに表示できるハードウェアデコード機能。再生スピードを可変にできるなどのトリックプレイ。ビデオを見ているときにはスクリーンセーバーを止めるといったパワーマネジメント。そしてリモートコントロールのサポート。
また、クライアントに投資するだけでなく、サーバにも大きな投資をしている。数週間前にIIS Media Services 4をリリースした。
SilverlightをサポートしてないiPhoneやiPadのようなデバイスには、ネイティブフォーマットでストリーミングし、対応する。
IIS media services 4は無償で提供され、Windows Azureでもサポートされる。
開発プラットフォームとしての主な機能もみていこう。
Data Binding Debugging、Markup Extensions for MVVMなど、WPFのフィーチャーをSilverlightにも組み込んだ。生産性を向上させるための機能追加だ。
また、WS-Trustをサポートし、トレーディングアプリケーションのようなリアルタイム性が必要なものに有用な低レイテンシネットワーキングをサポートする。
リリーススケジュールは、来年の春にベータ版の提供、そして来年の終わりに出荷予定だ。