[速報]マイクロソフトのSilverlight 4RCが本日公開、Windows Phone 7の開発ツールも無償公開へ
マイクロソフトのクリエイター向けプライベートイベント「MIX10」が3月15日(現地時間)、米ラスベガスで開催されています。初日のキーノートスピーチでは、Silverlight 4とWindows Phone 7についての進捗が発表されました。
本記事ではキーノートスピーチの内容を、Silverlight 4を中心に紹介します。
Silverlight 4 RCは本日公開
Scott Guthrie氏がSilverlight 4の紹介に登場。Silverlight 4は昨年11月のPDCで初めてその概要が紹介され、β版が公開された。
Silverlightの普及率は、昨年11月のPDCの時点では45%程度だったが、現在60%に上昇している。ビジネスアプリケーションにも使われ始めている。
バンクーバーオリンピックでは、米国、カナダ、ノルウェイの3つの放送局が、早送り、巻き戻しなどができるリッチなサービスとしてWebストリーミングサービス用にSilverlightを採用。
そしてSilverlight 4の新機能には、Webカメラやマイクへの対応、オフラインDRMやアウトオブ・ブラウザ機能などがある。また新たにマルチスクリーンをサポートし、その中の1画面をフルにメディア再生用に使える。
Silverlightで作られたeBay用の専用アプリケーションも登場。簡単に商品を探せるし、出品するときには、例えばカメラから書籍のバーコードを読み込むと、Silverlightアプリがその情報をもとに、情報を用意してくれる。
今日、Silverlight 4RC(リリース候補版)、およびSilverlight Tools For Visual Studio 2010 RC、そしてExpression Blend 4 ベータの公開を開始する。
そして来月には、Silverlight 4のファイナルリリース版を公開する予定だ。
Windows Phone 7
続いて、Joe Belfiore氏が登場。現在開発中のWindows Phone 7についてデモンストレーションで機能などを紹介。
Windows Phone 7の特徴的なユーザーインターフェイス。これを「ライブタイル」と呼んでいる。
メールのインボックスを見たところ。
PCとWindows Phone 7は同じ開発ツール、同じコードで開発可能
再び壇上にはScott Guthrie氏が登場。Windows Phone 7版のSilverlightはハードウェアアクセラレーションに対応しているため高速で、しかもPC版のSilverlightとWindows Phone 7版はプログラミングモデルも同じ、プログラミングコードも同じ、そして開発ツールも同じであることをアピール。
実際にPC上で動作するVisual Studioを用いてサンプルアプリケーションをその場で構築してみせる。ブレイクポイントなどのデバッガも使え、エミューレーション画面で動作も確認できる。これがそのままWindows Phone 7で動作する。
これがコードベースの開発の例。続いてExpression Blendでのデザインベースの開発を、Jon Harris氏が紹介。
Expression Blendを用いてデザインベースでユーザーインターフェイスを対話的に構築していく。そのビヘイビア(振る舞い)を設定していくことでアプリケーションを作っていける。
これもそのままPC上でエミュレーションでき、そしてWindows Phone 7上で動作する。
Visual StudioやExpression Blendで利用可能なWindows Phoneのこれらの開発ツールは無料でツール提供される。提供時期は、今日から。
マイクロソフトの強みが発揮されていく
予想通りに、マイクロソフトはSilverlightを用いてPC用のWindowsアプリケーションとモバイル用のWindows Phone 7アプリケーションを同じモデルで開発可能なことをアピールし始めました(関連記事参照)。
充実した開発ツールと守備範囲の広さを持つ同社の強みが、まさにこれからSilverlightとWindows Phone 7でも発揮されようとしているところといえます。