セールスフォースが日本にデータセンター設置、年内完成を公式に認める
セールスフォース・ドットコムが、日本国内にデータセンターを設置、年内に完成させることを明らかにしました。
第一報は、今日付けの日経ビジネスの記事「クラウド先駆者、日本に本腰」の中で、米セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフCEOが次のように述べたことで伝えられました。
「日本国内にデータセンターを設立するプロジェクトを進めている。今年中に完成させる予定だ」
Publickeyがセールスフォース・ドットコムの日本法人に問い合わせたところ、この発言が事実であることを確認しました。同社が発言通り国内のデータセンターを今年中に完成させることが明らかになりました。
ただし同社はデータセンターの設置場所、運営委託企業、国内データセンターを利用した場合の料金体系などの周辺情報についてはまだ発表できないとして、前述のベニオフ氏の発言のみを追認した格好です。
料金体系の発表に注目
同社は昨年7月にはシンガポールにデータセンターを設置しました。同社のクラウドは、数十万台から数百万台のサーバで構成されているグーグルやアマゾンのクラウドに比べると非常に少ない台数で効率よく運営されているのが特徴で、昨年3月の時点ではわずか1000台以下で運営されていると発表されています。そのため、ほかのクラウドベンダに比べて展開が容易だと考えられます(参考:セールスフォースがシンガポールにデータセンター設置、クラウドは規模の経済だけではない!)。
同社は郵便局、アメリカンファミリー生命保険、東京海上日動フィナンシャル生命、そしてエコポイントシステムなど多くの国内ユーザーを抱えており、時期は未定ながら日本にデータセンターを設置することは以前から公言していました。国内でのデータセンター設置は物理的にレイテンシが向上するという性能面、国内にデータがあるというセキュリティや制度の面でも日本のユーザーに大きくアピールすることは間違いないでしょう。
日本にデータセンターの設置を検討しているあるクラウドベンダーは、データセンターの運営コストに応じてデータセンターごとに異なる料金体系を検討しているとしており、セールスフォースが国内にデータセンターを設置した場合も、利用するデータセンターに応じて料金体系を変えてくる可能性があります。今後の同社の発表が待たれます。