日本のデータセンターも外気冷却の実証実験に成功、ついでに温室で野菜も
グーグルやマイクロソフトなどの大規模なデータセンターを運営する企業では、外気を取り込んで冷却する方法が最新のデータセンターに採用されています。日本でもこうした方法を採用するための実験が進んでいます。
Yahoo! JAPANの傘下にありデータセンターを運営するIDCフロンティアは、外気を取り込んでサーバを冷却する外気空調システムの効果と、データセンターから排出される廃熱を利用した温室による農業活用する可能性についての実証実験を、福岡県北九州市にあるデータセンター「アジアン・フロンティア」で行ったと3月29日に発表しました。
外気を利用することで空調費を4割削減、野菜もできた
発表によると、外気空調の採用、または外気空調と従来型空調システムとを組み合わせることで、従来の外気を使用しない運用方法に比べて最大で4割弱、空調にかかる消費電力の削減効果が測定されたとのこと。これは1000ラック規模のデータセンターで1年あたり約4千万円強にあたる消費電力料金の削減効果だそうです。
また、サーバによって暖められた空気は、冬季の温室栽培の暖房として活用が可能であることも確認されたとしています。
外気を用いた空調では、空気質や結露によってサーバへ悪影響がないようにすることが課題となっていましたが、同社が構築した外気を利用するシステムにおいては、実証実験での悪影響は認められなかったとのことです。
国内でも外気冷却の採用が始まりそう
外気を用いて冷却する方式は、グーグルが採用し、マイクロソフトも昨年アイルランドのダブリンにこの方式を採用したデータセンターの稼働を開始しています。
国内で昨年11月にインターネットイニシアティブ(IIJ)も実証実験を開始しており、今後はこうしたタイプのデータセンターが国内でも稼働を開始することになりそうです。
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