さくらインターネット、NoSQLデータベースのテストサービスを開始
サーバホスティング大手のさくらインターネットは、NoSQLデータベースの一種であるキーバリュー型データストア(KVS)を試験的に同社のサーバ上で提供する「KVSアルファテストサービス」を行うと、さくらインターネット研究所のブログで明らかにしました。
キーバリュー型データストアは、リレーショナルデータベースよりも単純な形式でデータを格納し、データ操作もシンプルなため、スケーラビリティや高速なアクセスを実現しやすく、クラウドの特徴を活かせるデータベースとして最近注目されています。
今回のアルファテストサービスでは、memcachedプロトコルを用いてさくらインターネット研究所が提供するキーバリュー型データストアを運用しているクラウドへアクセスし、利用する形態をとるようです。
KVSの中身はグリーが開発したFlare
キーバリュー型データストアにはApache FoundationのCassandraや、日本のえとらぼのkumofs、VMwareが主なスポンサーとなっているRedisなどさまざまなソフトウェアが存在していますが、今回のアルファテストサービスでは、グリーが開発しているFlareが採用されたようです。
さくらインターネット研究所 所長の鷲北賢氏が次のようにつぶやいていました。
@hirose31 kumofsです!と言いたかったのですが実はFlareです…。それぞれ一長一短あって迷ったのですが、安定度とCASの実装タイミングを鑑みFlareの採用となりました。
Flareは、オープンソースとして開発されている、memcached互換の分散キーバリュー型データストア。ストレージエンジンにはmixiのエンジニア 平林幹雄氏が開発したTokyo Cabinetが使われています。
クラウド上のキーバリュー型データストアは、Amazonクラウド上ではSimpleDBが、グーグルのGoogle App EngineではBigTableが、マイクロソフトのWindows AzureでもWindows Azure Storageが提供されており、主なクラウドでは標準的なサービスとなっています。
さくらインターネットでも今年度中にクラウドへ参入することを表明しています。今回のテストサービスは、それに向けたものなのかもしれません。