MySQL開発者はどこへ行ってしまったのだろう? 大丈夫、多くはオラクルにとどまっている
MySQLの開発者の一人で、現在はMySQLからフォークした「Drizzle」の開発者であるBrian Aker氏は「『MySQLのデベロッパーはどこへ行ってしまったのだろう?』という質問を最近よく受けるんだ」とブログ「Where did all of the MySQL Developers Go?」に書いています。
フォークし、去る人もいる
オラクルの買収や新しい分野のデータベースが登場したことなどで、MySQLの開発に関わっていた人たちが他の企業やプロジェクトへ移ったという情報もあり、それが心配の原因になっているようです。
MySQLはすでに大きく2つのフォークがあります。昨年、MySQLのオリジナル開発者であるMichael Widenius氏が当時MySQLを保有していたサン・マイクロシステムズを離れ、MySQL互換データベースの「MariaDB」の開発を開始。その1年前には、Brian Aker氏を中心にMySQLをスリムダウンし、シンプルで高速なデータベースを目指した「Drizzle」の開発が開始されました。
最近では2月にMySQLのエンジンとして利用されているInnoDBの開発者の1人Ken Jacobsがオラクルを離れ、今月もMySQLにかかわっていたスタッフ5人がオラクルからRackspaceへと移ってDrizzleの開発を担当するようです。
こうしたことがMySQLのデベロッパーはどこへ行ってしまったのだろうという心配につながっているのでしょう。
しかし大半はオラクルに残っている
しかしAker氏は心配ない、とブログに書いています。
The vast majority are still at Oracle, some have left, but plenty are still there.
大半はまだオラクルに残っており、何人かは去ったがまだ多くはそこにいる。
そして、InnoDBはどうか? オプティマイゼーションはどうか? レプリケーションはどうか? パーサーはどうか? など、Aker氏は機能別に状況を説明してくれていますが、エントリの最後に「彼らはどこにいるか?」という、開発者の所在を示す分かりやすい図を提示しています。この図を見ると、たしかに大半はオラクルにいることが一目瞭然です。
オラクルはMySQLについて引き続きコミットしていくと、「10の約束」を昨年末には明らかにしています。こうしたコミットメントがあらためて今後のMySQL強化につながっていくことを期待したいところです。
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