jQueryのグローバル対応プラグインで日付や通貨表示を自由に変更、マイクロソフトがリリース
JavaScriptライブラリjQueryは、もっとも普及しているライブラリの1つ。今年の3月にマイクロソフトが全面的な支援を表明しており、ASP.NETの開発チームがフルタイムでjQueryに貢献しています。
そのjQueryをグローバル対応にするプラグインをマイクロソフトが公開したと、同社バイスプレジデントのScott Guthrie氏が自身のブログに「jQuery Globalization Plugin from Microsoft」というエントリで明らかにしています。
動的に表記を変更可能に
jQueryのグローバル対応プラグインを用いると、例えばJavaScriptのアプリケーションで日付を表示するときに、国、もしくはカルチャーごとのフォーマットを自由に選択可能になります。同氏のブログから日付表示のサンプルを引用しましょう。
このほか、通貨や数字の表示(何桁ごとの区切りか、カンマとピリオドのどちらで区切るかなど)なども選択可能です。ドキュメントによると、現時点で350のカルチャーに対応しているとのこと。
HTMLにはあらかじめ次のような形式で元の値を書いておき、あとから動的に国や文化に合わせて表示を変更できるため、グローバルなJavaScriptアプリケーションの開発が容易になるようです。カルチャーは「en-US」(英語-米国)のような形式で指定します。
// 日付の表記
var available = $.format( new Data(2011, 12, 25), "D");
$("#available").html(available);
jQueryへの注力、IE9でのJavaScript高速化
マイクロソフトはASP.NET AJAXでjQueryをサポートし、Visual StudioでもjQueryを標準のフレームワークとしてIntelliSenseなども含めてサポートしています。またCDN(コンテンツデリバリネットワーク)での配布も行って下り、クライアントサイドのAjaxライブラリとしてはjQueryにフォーカスしていることを今年3月のMIX10で明らかにしています。
同社製品の多くがすでにグローバル対応しているのは周知の通りで、今回のプラグインはそのノウハウをjQueryに提供して実装したというところでしょう。その成果がオープンソースとしてこのように提供されるのはjQueryの利用者にとってのメリットであると同時に、マイクロソフトはjQueryを同社製品と同等のグローバル対応にすることで、より密接に製品とjQueryとを結びつけることができるようになりそうです。
同社がVisual Studioという重要な製品の一部に、このようなオープンソースのソフトウェアを利用するだけでなく、人的リソースまで投入して深くコミットメントしていることは非常に興味深い動きです。このことがこの先、jQueryとVisual Studioの双方にどのような変化を与えるのでしょうか。