ハイパーバイザ上で稼働するJavaVM、サーバOS不要の「JRockit Virtual Edition」、オラクルから

2010年4月21日

米オラクルが19日に発表した「JRockit Virtual Edition」は、仮想化ハイパーバイザのOracleVM上で直接動作するJavaVMです。OSレイヤを省略することによって、その上で動作するWebLogic Serverの性能が最大で30%向上したと同社は発表しています。

OS不要でJavaVMを稼働

Oracle Introduces Java Virtualization Solution for Oracle® WebLogic Suite

米オラクルが19日に発表した「WebLogic Suite Virtualization Option」は、OracleVM上で動作するJavaVMの「JRockit Virtual Edition」と、Webアプリケーションサーバの「Oracle WebLogic Server」の2つで構成された製品。

名前の通り仮想環境に最適化されており、サーバ上に仮想化ハイパーバイザのOracleVMを導入したら、OSをインストールすることなくそのままJavaVMを載せ、そのJavaVM上でWebLogic Serverが実行可能になっています。

このとき、JRockitは通常のOSが担当する処理、TCP/IPによる通信やデバイスとのやりとり、ファイルI/O、プロセススケジューリングなどをすべて行います。オラクルによると、こうしてOSを排除したことによって同一サーバ上でより多くのJavaアプリケーションを実行できるようになり、また実行速度もOSを介在させたときと比較して最大で30%も向上したとのことです。

米オラクルは同時に仮想環境での管理ツールである「Oracle Virtual Assembly Builder」もリリースしています。これは仮想環境でのアプリケーションのデプロイを容易にするもので、仮想環境で展開中のソフトウェアの状態を自動的に把握し、同様の展開を自動的に行えるようにしてくれます。これによって、いわゆるソフトウェアアプライアンスのようにアプリケーションを簡単に仮想環境に展開できるようになります。

垂直統合によるクラウド対応のソフトウェア展開

今回発表されたソフトウェアは、クラウドのように仮想化されたサーバが大量に並ぶ環境に対して、高密度なソフトウェア展開を自動的に行うことを可能にするものといえます。それをすべて垂直統合された自社ソフトウェアで可能にするあたりに、オラクルの戦略がはっきりと表れているようです。

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