来週JavaOneが開催。しかしJDK 7はこのまま行けば2012年中旬まで出ない、どうする?
オラクルでJava Platform GroupのChief Architectを務めるMark Reinhold氏が「(JDK 7の)テストや安定化などの計画された作業が完了しリリースできる現時点で最善の見積もりは、2012年の中旬頃だろう」と、自身のブログのエントリ「Re-thinking JDK 7」で明かしています。
JDK7について9カ月前に立てた計画では、今年の4月には機能追加が完了し、安定化作業に入る予定でした。しかし、オラクルによる買収で生じた統合作業が予想以上に時間がかかってしまったことで計画が遅れてしまったと説明しています。
このままだと完了は、2年後の2012年中旬
JDK7への多くの作業は完了、あるいは完了しつつある中で、残る大きな課題はProject LambdaとProject Jigsaw、そしてProject Coinに関するいくつかのようです。
The main outstanding items are the Lambda and Jigsaw Projects, along with a few of the Coin proposals.
Project Lambdaは、いわゆるクロージャ(closures)をJavaに組み込むためのプロジェクト。Project Jigsawは、現在モノリシックな構造になっているJDKをモジュラー構造にして機能的に分割しようとしています。Project Coinは、Java言語に対するいくつかの小さな変更を行います。
Reinhold氏は、これらすべてを反映するとすれば2012年中旬までJDK 7のリリースには時間がかかるが、それらを入れなければ1年前倒しでJDK 7をリリースできるだろうとしています。この2つが、Plan A、Plan Bとブログでは呼ばれています。
Plan A: JDK 7 (as currently defined) Mid 2012
Plan B: JDK 7 (minus Lambda, Jigsaw, and part of Coin) Mid 2011
JDK 8 (Lambda, Jigsaw, the rest of Coin, ++) Late 2012
オラクル社内ではPlan Bに強く傾いていることを吐露した上で、もしもPlan Aを選ぶべき理由があれば教えてほしいとReinhold氏は書いています。
そしてこのエントリのコメント欄には「がっかりした」「どれだけ待たせるのか」という多くの読者からの書き込みがあり、Plan AとPlan Bの選択では、ごくわずかに(数えた範囲では3票)のPlan Aへの投票があるのみで、ほとんどはPlan Bを選択。多くのデベロッパーが、早く次のバージョンのJDKの登場することを願っているようです。
来週はオラクル買収後の初めてのJavaOne
来週、サンフランシスコで開催されるOracle OpenWorldと同時に、JavaOneも開催されます。オラクル買収後初めて、ジェームズ・ゴスリング氏がいなくなってしまったJavaOneです。
JDKのスケジュールが遅れ、またグーグルとの訴訟によりグーグル不参加という状況のJavaOneですが、どのようなビジョンや戦略が語られるのでしょうか。