国内のIT市場は受託が圧倒的多数。オフショアは中国が突出。総務省、経産省による調査

2010年11月25日

総務省と経済産業省は、日本の情報通信業全体を把握するため調査として「情報通信業基本調査」を行い、10月27日にその速報を公開しました

総務省|平成22年「情報通信基本調査」の結果(速報)

この調査はIT業界だけでなく、電気通信、放送、出版なども含んだ幅広い業種を対象として行われたものですが、その中からIT業界に関連した部分をピックアップして紹介しましょう。

受託開発が全体の44%

今回の調査結果を見るうえで気をつけなければならないのは、あくまでも質問票に対して回答があったものだけが集計されていることです。全企業が回答しているわけではありませんし、そこから全体を推測するための補正もされていません。傾向を知るために参照するといった使い方がいいと思われます。

さて、その調査結果から「情報サービス業」の項目からおもなポイントを見てみましょう。回答企業数は2781。その企業数の半数以上(1422)、そして売り上げの44%が受託開発となっています。一方で、パッケージソフトは企業数で約10%(261)、売り上げで約3%となっています。

日本のIT市場は圧倒的に受託開発中心だということが明確に表れています。表として抜き出してみました。

企業数 売上高
合計 2781 9兆4833億0600万円
受託開発 1422 4兆1890億6700万円
情報処理サービス 487 2兆4917億3900万円
情報提供サービス 144 5752億7700万円
パッケージソフトウェア 261 3193億7000万円
組込ソフトウェア 101 2479億5900万円
ゲームソフトウェア 45 1220億1300万円
その他 321 1537億88100万円

売上高の比率をグラフ化したもの。

fig

アウトソース先は8割以上が国内

アウトソース(外部委託)に関する調査結果では、アウトソースについて回答した企業(2222)のうち74.4%(1654)がアウトソースを行っていると回答しています。そのアウトソース先を見てみると、86.1%が国内にアウトソースを行っており、海外にアウトソースしているのはまだ2.5%。これは意外に低い値に思えます。

海外のアウトソース先を金額ごとにみていくと、中国が突出して大きく62.8%、続いてフィリピンの5.2%、そしてインドの4.6%となっています。

fig

調査結果にはさらに詳細な項目が報告されています。この調査は今後さらに調査票の回収などを行い、来年3月に最終結果の報告になるとのことです。

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