国内のIT市場は受託が圧倒的多数。オフショアは中国が突出。総務省、経産省による調査
総務省と経済産業省は、日本の情報通信業全体を把握するため調査として「情報通信業基本調査」を行い、10月27日にその速報を公開しました。
この調査はIT業界だけでなく、電気通信、放送、出版なども含んだ幅広い業種を対象として行われたものですが、その中からIT業界に関連した部分をピックアップして紹介しましょう。
受託開発が全体の44%
今回の調査結果を見るうえで気をつけなければならないのは、あくまでも質問票に対して回答があったものだけが集計されていることです。全企業が回答しているわけではありませんし、そこから全体を推測するための補正もされていません。傾向を知るために参照するといった使い方がいいと思われます。
さて、その調査結果から「情報サービス業」の項目からおもなポイントを見てみましょう。回答企業数は2781。その企業数の半数以上(1422)、そして売り上げの44%が受託開発となっています。一方で、パッケージソフトは企業数で約10%(261)、売り上げで約3%となっています。
日本のIT市場は圧倒的に受託開発中心だということが明確に表れています。表として抜き出してみました。
企業数 | 売上高 | |
---|---|---|
合計 | 2781 | 9兆4833億0600万円 |
受託開発 | 1422 | 4兆1890億6700万円 |
情報処理サービス | 487 | 2兆4917億3900万円 |
情報提供サービス | 144 | 5752億7700万円 |
パッケージソフトウェア | 261 | 3193億7000万円 |
組込ソフトウェア | 101 | 2479億5900万円 |
ゲームソフトウェア | 45 | 1220億1300万円 |
その他 | 321 | 1537億88100万円 |
売上高の比率をグラフ化したもの。
アウトソース先は8割以上が国内
アウトソース(外部委託)に関する調査結果では、アウトソースについて回答した企業(2222)のうち74.4%(1654)がアウトソースを行っていると回答しています。そのアウトソース先を見てみると、86.1%が国内にアウトソースを行っており、海外にアウトソースしているのはまだ2.5%。これは意外に低い値に思えます。
海外のアウトソース先を金額ごとにみていくと、中国が突出して大きく62.8%、続いてフィリピンの5.2%、そしてインドの4.6%となっています。
調査結果にはさらに詳細な項目が報告されています。この調査は今後さらに調査票の回収などを行い、来年3月に最終結果の報告になるとのことです。
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