IIJの外気冷却コンテナ型データセンター、空調機やコンテナ内部のビデオを公開
今後さらに価格低下が予想されるデータセンター間の競争に対応するためにインターネットイニシアティブ(IIJ)が開発中の、外気冷却にも対応したモジュール型データセンター。そのビデオをIIJがYouTubeで公開しています。
室外機、空調モジュール、ITモジュール
IIJは、今年の2月から中部地方で新しいデータセンターの実証実験を行っており、5月には正式な建設を発表しました。そのデータセンターでは、コンクリートのおおげさな建物は不要で、敷地の上にコンテナ型のモジュールを並べていくだけでデータセンターになる、というもの。
これにより、低コストでデータセンターを設置できるとともに、外気冷却を取り入れることで低コストの運用を実現するとしています。
モジュールは、空調の室外機、空調モジュール、そしてサーバやネットワーク機器が詰まったITモジュールの3種類。この3種類を1セットとして地面に並べていきます。室外機や空調モジュールは、データセンター用ではなく一般の汎用品を転用したそうです(図に分かりやすさのため文字と矢印を加えました)。
横から見たところ。ITモジュールは、通常のコンテナサイズではサーバを入れると人の作業スペースがなくなってしまうため、あえて幅3mの専用サイズにしたとのこと。
ITモジュール内部は、人が作業するスペースが十分にある設計。奥に見えるのが、空調モジュールとつながった吸排気部分。
これらのモジュールを配置したデータセンターの全体イメージ。
IIJでは、クラウドコンピューティングのコスト構造の中で、データセンターの土地代や建設費と電気代などにはまさ削減余地があり、このモジュール型データセンターの採用によって従来比で50%の削減につながるとしています。
以下がIIJが公開した、1分36秒のビデオです。
Amazonクラウドでは現在、1日あたりの利用コストは約2ドル(1ドル90円換算で約180円)。IIJではこれが今後さらに価格競争で低下し、1日あたりの最低利用料金が100円を切るところまで予想しています。
いままでデータセンターといえば、耐震性が高く、固い警備のために頑丈な建物を建設し、その中の強力な空調設備とともにサーバが稼働している、というのが一般的でした。しかし徹底的なコストダウンのために、IIJだけでなく世界中のクラウドベンダがこうした新しい構造のデータセンターに取り組んでいます。
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