企業はプライベートクラウドを望む、IDCの調査から
米調査会社のIDCが、企業のIT担当役員に対して行った調査によると、プライベートクラウドの方がパブリッククラウドよりも魅力的だと回答した人は55%。プライベートクラウドもパブリッククラウドも同じように魅力的だと回答した人は22%だったそうです。PC Worldの記事が伝えています。
IDCの定義によると、プライベートクラウドとは企業内にクラウドのリソースを保有することを意味しています。
また、IDCが5月に公開した別の調査では、プライベートクラウドとパブリッククラウドの市場規模の予測数値があります(参照元はノベルのプレスリリース「IDC Predicts Private Cloud Server Market to Reach $11.8B by 2014」から)。
これによると、プライベートクラウドのサーバ市場は、2009年の820億ドルから、2014年までに1180億ドルへと上昇。また、プライベートクラウドに利用されるサーバの台数は2009年の12万2615台から、2014年までに50万2626台へと増加するとのこと。
一方で、パブリッククラウドのサービス市場は2009年の5億8200万ドルから、2014年には7億1800万ドルへと上昇するとのことです。
プライベートクラウド市場の方がずっと大きい
IDCのプライベートクラウドとパブリッククラウドの数字は、サーバ市場とサービス市場なので直接比較しにくいのですが、それでも数字だけを見れば100倍以上プライベートクラウドのほうが大きく、両者の市場の大きさにはまだずいぶん差があるのだと想像できます。
もともとIT市場はユーザーがハードウェアを買い、ソフトウェアを買い、自社で運営するオンプレミス≒プライベートクラウドで成立していたわけですから、IT担当役員がプライベートクラウドを支持し、市場もしばらくプライベートクラウドの方が大きいというのは当然といえば当然です。
しかし市場がオンプレミス≒プライベートクラウドからパブリッククラウドへ向かうのだとしたら、果たしてどのような経緯を経てらパブリッククラウドへ向かうのでしょうか。単純にプライベートクラウドからパブリッククラウドへと切り替えが進むだけなのか、それともプライベートクラウドとパブリッククラウドの密な連係が求められつつつ、徐々にパブリッククラウド化していくのか。
製品を提供するベンダごとにさまざまな仮説が登場していますが、そのシナリオがはっきりするのには、もう少し時間が必要ではないかと思います。